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インフィニット・ストラトス if 織斑一夏が女だったら
第十二話《歯車》
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らないが、千冬は叫んだ。
一瞬、走る黒電が弱まった。
千冬は、意を決し、球の中へと脚を踏み入れた。
*
その様子を、不機嫌に見つめる姿があった。
スコール・ミュゼール。
金色のISを身に纏い、高くから球を見下ろしていた。
*
球が私を拒み、反発力を強める。
少し油断をすれば、弾き出されてしまいそうだ。
織斑千冬は、一歩、また一歩と、一夏に近づいた。
一夏の影は、いつの間にか三つに増えていた。
保育園児程の影、中学生程の影、高校生程の影。どれも、胸に穴を開けていた。
近づく度に、反発力は強くなっていく。
じきに、白騎士のシールドエネルギーの消費が《絢爛舞踏》を上回った。
シールドが徐々に縮小していく。
肩部装甲がシールドから外れ、球に飲み込まれ、消える。
織斑千冬はもう、進むことができなくなった。
*
『私』の視界は、もう自分の指先も見えないほど《闇》に呑まれていました。
――もう、お仕舞いなのかな。
そんな考えがよぎった矢先。《闇》が支配していた眼に、光が入った。
とても、わずかな光。だけど、確かに暖かさを『私』に届けてくれている。
『私』は、この暖かさを知っている。
これは、お姉ちゃんの暖かさ――。
『私』は、闇を探りながらゆっくりと、光に向かって歩きだした。
*
白騎士にはもう、限界が来ていた。
《絢爛舞踏》の光も弱まり、球の力にも打ち負け、徐々に後ろへと押されている。
織斑千冬が限界を感じた時。
真ん中の、中学生程の影が、千冬に向かって一歩、踏み出した。
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