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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第三章
ニ十三話 破壊の宿業  [壱]
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を食べるクラナを横目に、ニコニコ笑いながらはやてはそんな事を言う。忙しい筈の仕事にわざわざ時間を開けてまで来てくれる親友になのはは少し申し訳ないような気持ちが浮かぶのを自覚しつつも、そのありがたさに静かに笑みを浮かべた。

「ありがとね。はやてちゃん」
「……ありがとうございます」
母親に続いてクラナも深々と頭を下げる。そんな二人に苦笑しながら、はやては首を小さく振りながらのんびりとした様子だ。

「えぇんよ。それよりクラナ、身体大丈夫?なんや、半日近くも寝てたて聞いたから、ウチもなのはちゃんもほんまに心配だったんよ?」
「……えっと」
この質問に特に体から異常は感じていないクラナはやや返答に困る。強いて言うならいつもより少し身体が重く感じるくらいか。そんな事をそれとなく伝えると、なのはも小さく頷いて言った。

「事情は、私も聞いたよ。先生も、魔力の使い過ぎから来る急激な疲労だろうって言ってた……でもクラナ、何をしたの?」
「……?」
何をした、とはどういう意味だろうと考えて、クラナは少し考え込む。分かっていない様子のクラナに、なのははおや?と言いたそうに首を傾げた。

「近くに居た子が言ってたよ?クラナ、高密度のイレイサーを受けたんだって。でも大きな外傷は負って無かったし……上手く防御出来たって事だよね?」
「…………?、?」
そう言われて、クラナはその時のことを思い出してみる。確かに自分がジークの攻撃の前に身体を晒した事は覚えている。と言うかあれがイレイサーだったとは……自分でも何故無事なのか不思議になって来る。

イレイサーと言うのは、攻撃魔法の分類の一つだ。その根本的な理念は攻撃対象を“消滅させる”事。超高圧縮した魔力で局地的なごく狭い範囲に対する攻撃を行う事で、その範囲内に対してのみ、収束砲撃魔法以上の破壊を巻き起こす魔法形態で、近接戦闘に置いてはただでさえ難しい制御を少し誤ると、暴発に自身も巻き込まれる可能性がある為に用いられる事は殆ど無く、最もポピュラーな中距離圏の射程圏内に置いても、よほどの熟練者でない限り射出可能な安定状態になるまでかなりの時間を要する為に使い勝手が悪く、多用されるケースは少ない。

だが、あの時の彼女が非殺傷設定だったとしても、そのような魔法を受けて自分が大した怪我もせず五体満足にベットで寝ていられると言う事は、恐らく自分はあれを防げたのだろう。が、クラナには、その記憶が無かった。

身体を飛びださせた所までは覚えているのに、その先からこのベッドの上で目が覚めるまでの記憶がぽっかりと抜け落ちているのである。

『アル、どうなったか、わかる?』
[いえ、其れが、実はあの時防御魔法を行使した記録が、私のログには残って居ないのです]
「え?」
予想外の発言に、なのはが驚いたよ
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