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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第三章
ニ十三話 破壊の宿業 [壱]
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クトーリアが居ることに内心驚いたクラナはしかし、反射的にジークを観察し、大きなけがも無い様子であることを確認すると──あくまで内心でだが──大きな安堵のため息を付いた。
そのクラナの様子を見て、ヴィクトーリアも安堵の息を付く。ジークは一瞬だけ心から安心したように目を開いたが……
「(……?あれ……)」
「…………」
すぐにクラナから逃げるように視線を伏せてしまった。別に見つめ合いたいわけでもないのだが、妙に避けられた気がしてクラナは少しだけ首を傾げた。
そんな事をしている内に、二人は大きく頭を下げる。
「クラナさん、クラナさんのお母様も、この度は本当に申し訳ありませんでした……」
「あ、えと……」
「安全性への配慮を欠いたままの練習は、本来競技者としてあるまじき事、私が浅慮なばかりに……本当に申し訳ありませんでした!」
「ち、ちがうんです、ヴィクターはクラナくんの事を紹介してくれただけやから……ウチが、ウチが悪いんです……!ほんまに、ごめんなさい……」
心から申し訳なさそうに、二人は何度も何度も頭を下げる。生まれてこの方其処まで平伏して謝罪を受けた機会が少ないクラナにして見ると、軽く戸惑いを覚えてしまう。それ程の痛切な謝罪と……そして一種の恐怖を、クラナは感じていた。
なのはの視線は真剣で、静かに彼女達を捕えている、或いは怒っているのかもしれない、と、クラナは思った。当然だ、彼女達の謝罪の内容は大凡事実であり、それによって我が子が意識不明になれば、まともな母親なら誰であれ怒るだろう。ただそれでも何も言わないのは、クラナの判断を尊重してくれると言う、彼女なりの意思表示なのかもしれないとも、クラナは感じる。
其れが少しだけ嬉しくて、クラナは内心で口角を上げ……同時に頭を下げた。
「俺も……皆さんに心配掛けて、ごめんなさい……」
「…………」
「クラナさん……」
だからまずは、なのはと、ジークとヴィクトーリア、この場に居る三人全員に向けて謝罪した。なのはは一瞬だけ驚いたような顔をすると、小さく微笑んでクラナを見る。逆にジークやヴィクトーリアは、頭を下げたクラナを見て戸惑ったような表情を浮かべる。頭を上げて、クラナは一度大きく息を付くと、腹を決めて口を開いた。
「不注意だったのは、俺も同じです。て言うか、俺が気絶したのは全面的に俺の所為ですし……」
「い、いえですが……」
「競技者なら、練習中の危険も自己管理の内……ですから。お二人の所為には出来ないと思いますし……俺もしたく無いので……その、あまり謝らないで下さい」
「クラナ、くん……」
上体を伏して言うクラナを困惑したような、形容しがたい表情でジークが見た。「それより……」その彼女と視線を合わせて、クラナは問う。
「ジークさんは、大丈夫ですか……?怪
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