提督、試験艦の力を見る
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「戦艦大和、押して参ります!!」
轟音と共に放たれた46cmという化け物染みた三連装砲が火を噴く。放たれた砲弾は深海棲艦に見立てた標的を一撃で粉砕し、全てを炎上させた。標的の破壊を確認すると次の攻撃に移りながら轟音を撒き起こす超弩級戦艦、その光景を見ていた提督と長門、そしてヲっちゃんは目を見張っていた。
「なんというか、すっげぇ威力だな……長門さんの主砲よりも凄いな」
「私の主砲の口径は41だからな、5センチ以上も上だ。だから圧倒的な破壊力だな」
「………アレヲッ向ケラレテト思ウト背筋ガ凍ル……」
矢張り深海棲艦のヲッちゃんからしたら複雑な物があるのだろう、額に汗をかきながら身を震わせている。
着任した超弩級戦艦大和型一番艦大和、その試験艦である彼女。その力を見る為に模擬用の標的などを海に浮かべそれを何発で撃破出来るかや命中精度を見ているのだが、矢張り超弩級の名を持っているだけに火力が尋常ではない。命中精度は目立って高意という訳では無いが、そこは着任直後の艦娘全体に言えるものなのでさしたる問題ではない。
「まあ当然だけど、動きに柔軟性が無いね」
「動きはマニュアル通り、いい手本とはいえるが上手い戦い方と言えないな」
「……ヤラレソウ」
これも着任直後の艦娘に言えることだが動きが硬すぎる、大和はそれが特に目立っている。動き自体は良いのだが硬い動きでは予想外の事態に対応しづらく大きな損害を被る事になる。特に彼女達が戦うのは海、気候や潮の流れで刻一刻と変化する足場の悪い大海原が彼女らの戦場。そんな中で全方位からの攻撃に注意しながら戦わなければならない為、常に動き続け敵をかく乱する必要がある。
正規空母の赤城や加賀もそれに対応する為に独特のフォームから弓を射っている、当然地上で放つ弓とは型は全くと言っていいほど異なる。一度陸軍の方からそれを言われたことがあり加賀や赤城は肩身を狭くした事があったが、提督がそれを言うと陸軍は悔しそうに硬く口を閉ざしたそうな。
「まああれについては経験を積むしかないね、暫くは第二艦隊の準旗艦として動いてもらうかな。加賀さんにそう伝えておいてね」
「ああ了解した」
「訓練終了、戻ッテ新人サン」
「はい!」
こうして大和の鎮守府での初訓練は終了した。
「では提督、私は出撃してくる」
「ああ、しっかりね。ヲッちゃんも頑張って」
「ヲッ任セ」
ビシっと敬礼をして退出していく長門とヲッちゃん、これから長門は第一艦隊の旗艦としてとある鎮守府との演習がある。相手からはかなり以前から演習を申し込まれていたので答えないわけには行かない。
「提督、少しいいかしら?」
「オウ?加賀さんどったの?」
長門達が退出してから10分後、コーヒーを優雅に楽しんでいた提督の下
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