84悪神ロキ現る
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静に振舞おうとする意識が伺える。
が、それを聞いたロキは、
「いやなに、我らが主神殿が、我らが神話体系を抜けて出て、我ら以外の神話体系に接触して行くのが耐えがたい苦痛でね。我慢できずに邪魔をしに来たのだ」
悪意を全く隠す事無く、宣言した。
本来、貴殿ら堕天使や悪魔、天使達と会いたくは無かったのだが、致し方あるまい。オーディン共々我が粛清を受けるがいい」
「お前が他の神話体系に接触するのは良いってのか?矛盾しているな」
「他の神話体系を滅ぼすなら良いのだ。和平をするのが納得出来ないのだよ。我々の領域に土足で踏み込み、其処で聖書を広げたのはそちらの神話なのだから」
「それを俺に言われても困るんだが。その辺はミカエルか、聖書の神にでも言ってくれ」
「どちらにせよ主神オーディン自らが極東の神々と和議をするのが問題だ。これでは我らが迎えるべき神々の黄昏が成就出来ないでは無いか。ユグドラシルの情報と交換条件で得たい物とは何なのだ」
アザゼルの押し問答が始まるが、ロキの奴、ろくな事考えない、ろくな事考えていたら悪神と呼ばれていない…
そんな押し問答で得られる物は無いと思ったのか、
「1つ聞く!お前のこの行動は禍の団と繋がっているのか?って、それを律儀に答える悪神様でもないか」
指を突きつけつつアザゼルは問いかけた。
まともな返答は期待していない、といった感じの口振りをしたアザゼルだが、それに対してロキの答えは、
「愚者たるテロリストと我が想いを一緒にされるとは不愉快極まりない事だ。己の意志で此処に参上している」
アイツ等とは関係ない………
「禍の団じゃねぇ、と来たか。だがこれはこれで、厄介な問題だ。成る程な爺さん、これが北欧が抱える問題点って奴か」
「ふむ、どうにも頭の固い者がまだいるのが現状じゃ。こういう風に自ら出向くアホまで登場するのでな」
ロキの返答を受けてアザゼルがオーディンに問いかけると、丁度ロスヴァイセを引き連れて馬車から出て来たオーディンが、そう返していた。
「ロキ様、これは越権行為です!主神に牙を剥くなど許される事ではありません!然るべき公正な場で異を唱えるべきです!」
オーディンに連れられて外へ出たロスヴァイセが、さっきまで着用していたスーツ姿から、ヴァルキリーならではと言うべき鎧姿に変わりつつ、物申していた。
ロキもそんな腹積もりなのか、ロスヴァイセの言葉に聞く耳を持たず、
「一介のヴァルキリー如きが我が邪魔をしないでくれたまえ、我はオーディンに聞いているのだ。オーディンよ、まだこの様な北欧神話を超えた行いを続けるお積りか?」
オーディンに迫った。
「そうじゃよ、少なくともお主よりサーゼクスやアザゼル、それに聖神とコミュニ
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