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黒魔術師松本沙耶香 妖女篇
25部分:第二十五章
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だった。
「知っているわよね」
「勿論よ」
 悠然とした態度で返す依子だった。
「それもね」
「ローマの皇帝だったわ」
「同性愛者にして贅を極め退廃の中に生きた皇帝」
 それがヘリオガバルスであった。己を女にしようとし実際にそれに扮し娼婦になってみせたこともある。あらん限りの贅を極め奇行の限りを尽くした。そうした男である。
「その彼ね」
「彼が薔薇を愛したことも知っているわね」
「当然よ。そしてしたこともね」
「彼は薔薇で人を殺したわ」
 今彼女の上にあるその薔薇で、というのである。
「薔薇の花びらを上からかけ。それで圧死させたわ」
「その濃厚な香りの中で」
「この花びら達に圧せられることはないわ」
 それはないという沙耶香だった。

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