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リリなのinボクらの太陽サーガ
月詠編 暗雲
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「どちらかといえば武勇伝じゃないかな、姐さん?」

「プレシアの武勇伝……なんか結構ありそうな気がするのはあたしだけかい?」

「武勇伝ねぇ……確か昔、まだアレクトロ社に勤めていて新型魔導炉の開発に入ってない頃、研究所に何処かのスパイが忍び込んだ事があったわね。ちょうどその時徹夜で作業していたせいで意識が朦朧としていて、なんか変なのがいるなぁと思って適当にサンダーレイジをぶっ放して眠りについた後、起きたらそいつがスパイだったという事であれよあれよと訳も分からず賞賛された事があったわ」

「ええっと……寝ぼけてスパイをやっつけたのはある意味凄いとは思うけど、それって武勇伝なの?」

「さ、さあ……?」

そればっかりは判断のしようがない。武勇伝かどうか判断できる人たちに聞かないと、流石にわからないから。しかしそんな人達がいるのかな…………あ。

「高町家に聞けばわかるんじゃない?」

『それだっ!』

「それだ、じゃないよ!? フェイトちゃん達は私の家族をどう思ってるの!?」

『戦闘民族TAKAMATI』

「答えにくい回答しないで! 私の家は普通だよ!」

『あれが普通……だと!?』

「そんなに驚くことなの!? それとなんではやてちゃん達も混ざってるの!?」

『面白そうだから』

「えぇ〜……」

がっくりと疲れた様子で肩を落とすなのは。そもそも魔法もエナジーも無しで魔導師に勝てたり、浄化でヴァンパイアから人間に戻れたり、暗黒物質に順応しているんだから、彼女の家が普通じゃない事ぐらい既に自覚してると思ってたよ。だからなのはが驚いている事が、むしろ私達にとっては予想外であった。

「あ、そうだ。魔法が効かなくても、戦力は出来るだけ多い方がええよね? ちょっと聖王教会と話つけに行ってくるわぁ」

「そうね……お願いしてもいいかしら?」

「ええですよ。それに少し相談しておきたい事もあるんで、こっちの事は後で教えてください」

そう言ってはやて達は私達の一団から一旦離れ、ミッド北区にある聖王教会領地へと向かう。流石に徒歩じゃ遠すぎるから地上の局員……老け顔の男性に協力を取り付けて、車で送ってもらっていた。気のせいか、彼とはやては仕事上で長い付き合いになると、理屈ではないが何となくそう思った。

とりあえず管理局の意識が何とかまとまった事で、私達がここで出来ることはあまりなくなった。指名手配の件で追及したい気持ちはあるけど、今それをしたらせっかくまとまってきた意識がまた分裂しかねない。それならしばらく管理局が変な行動を起こさないように、様子を見ておこう。

敵が動くまでまだ時間はある。それまで自由行動をしてもいいと言われた事で、皆がそれぞれの時間を過ごす中、私達テスタロッサ家は
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