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IS インフィニット・ストラトス〜普通と平和を目指した果てに…………〜
number-32
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、空は遮るものがなかった。
――ヒュウウウゥゥ…………ド―――――ン!!
「お、上がったよれんくん!」
「ああ。……綺麗だな」
この花火大会は百連発が有名らしいのだ。確かに有名なだけあって、赤、青、黄色、緑などと色鮮やかに黒いキャンパスの上を彩っている。花火が瞬くたびに二人の影を暗い森の中にまで伸ばす。
束は目を輝かせて花火を見ていた。子供のようにはしゃぐ彼女を見ていた蓮は、小さく笑った。
「む、今笑ったでしょ」
「笑ってない」
「笑った」
「笑った……かもしれないな」
「むううっ!! やっぱり笑ったんじゃん!!」
ポカポカポカと叩いてくる。それを受けていると、二人はおかしくなったのか同時に笑った。一通り笑うと、まだ打ち上げられている花火に向かって座る。今度は、束が蓮の右腕に手を絡めて肩に頭を乗せながら花火を見ている。
五分もたたないうちに束が蓮に問いかける。
「れんくん」
「……何だ」
「今、幸せ?」
「どうだろうな。……幸せなのかもしれないな。束は?」
「私? 私はねー……」
突然右頬に感じる柔らかく温かい感触。驚いて束の方に顔を向けると、彼女は悪戯が成功したような笑顔を浮かべていた。
「ものすごく、幸せだよっ」
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