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FOLIE OF THE DEAD
第1話 日常 何気ない日々
[1/2]

[1] 最後
 日々、私たちが過ごしている日常は、実は奇跡の連続なのかもしれない.......。

 これはとある漫画のキャラが言っていた名言だ。
 この言葉を聞いて人々は何を思うか。
 "成る程そうなのか"とこの言葉に感心を持つ人もいれば"ふーんそう"とただの漫画としての台詞として捉える人もいるだろう。
 人によって千差万別で答えなど無い、だが少なくとも"あの日"を迎えた人々は少なくともその言葉の意味を知る事になる。
 自分達が何気なく過ごした日常はいかに大切で脆く崩れやすいのかを.......。




 AM6:20

 季節は秋の深まる10月、空は冬が近いのか日が昇り始めたばかりでまだ少し暗かった。
 昇り始めたばかりの日光が照らす新築したてのアパートから一人の青年が階段を降りてきた。
 青年は横にある駐輪所から自転車を出しペダルを漕いでアパートから出発した。
 自転車のライトをつけながら少し重いペダルを漕ぎ目的地までほんのり暗い道を走行する。
 制服のブレザーやズボン、籠に入っている鞄から青年は学生だと通りすがりの人なら一目で分かるだろう。


 ひたすら自転車を漕いで20分くらい経った所である学校の前まで来た青年は正門から入り学校の敷地内の駐輪所に自転車を停めた。
 籠から鞄を取り出すと肩に掛けて運動場の端にある部室棟に向かい室内の部室へと入っていた。
 数分後、部室から青年はジャージ姿になりそのまま走り出していく。
 外の気温は秋なのに例年より気温が下がっており朝の時間帯だとセーターが欲しくなるくらい冷え込む。
 青年はグランドを走り一定の間隔で口から息を吐き出し広いグランドから正門まで行くとそのまま門を出て学校の周りを走っていった。


 青年の名前は肆崎 巧 彼が今いる学校【私立夜凪ヶ丘学園高校】の生徒で陸上部に所属している。
 巧は何処にでもいる普通の高校生にも見えるが彼にとって取り柄と言える所が二つあった。
 一つは足が普通の人より速い所、もう一つは人並み以上に体が丈夫という所だ。
 この取り柄は他人が言った事で本人は大した取り柄ではないと思っているが足が速いという取り柄で陸上の成績はかなり良く顧問である監督も認める程だ。


 しかし巧は自分の実力に満足していないのか練習を怠らず大会に向けての調整を続けている。
 実際巧の陸上部の朝練は殆どは個人の自由参加でありさらに文化祭という学園行事の準備で殆どの部活動は休みなのだ。
 それでも個人の自由で自主的に練習を続ける生徒もいるが巧は文化祭前日という一番忙しい時期でも練習を続けていた。
 ある程度時間が経つと後ろから巧と同じくジャージ姿で走っていく人が二、三人見えて同じ陸上部にいる部員だとすぐに分かる。
 やがて何周か外周を走った
[1] 最後


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