九校戦編〈下〉
九校戦九日目(7)×無頭竜幹部&ジェネレーター捕獲からのガサ入れ
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なショックを受けながら、黄は必死となって交渉をしようとしていた。
「私はボスの側近だ!ボスも私の言葉は無視出来ない!」
『ほう。何故そんな事を言えるんだ?』
「私はボスの命を救った事がある!命の借りは、救われた数だけ望みを叶える事で返すのが我々の掟だ!」
『その貸しで命乞いでもするつもりなのか』
二人分の視線が黄に突き刺さる。裏切りに対する憎悪と殺意がそこには込められていたが、それを気に掛ける余裕すら無かったから自分だけ助かろうと考えていた。
『その貸しは、自分の命を買い戻す為に必要不可欠何じゃないのか?』
「違う!そんな事をしなくても、ボスは私を切り捨てたりはしない!」
『お前にそれだけの影響力がある人間なのか?』
「そうだ!」
『ならそれを今から三つ数える間に証明が出来るのか?』
「それは・・・・」
『No Head Dragon・・・・頭の無い竜。その名はお前ら自身が名乗り始めたのではなく、リーダーが部下の前にすら姿を現せない事から敵対組織によって名付けた呼称とも言えるな。部下を直々に粛清する時も意識を刈り取って、自分の部屋へ連れて来させる徹底振りだとこちらが調べた情報だと聞く』
死の恐怖や消失の恐怖とは別種類の戦慄が黄を襲った。余りにも詳しく自分達の事が知られているので、自分達は一体何に手出ししたのか分からず仕舞いであった。
『貴様がそれだけの影響力を持つと言うのなら、当然首領の顔を見た事はあるはずだ』
考えている暇が無いので、生き延びる為には死神の気まぐれに付け入るしかなかった。
「私は拝謁を許されている」
『それでは首領の名前は何と言う?』
黄は口を閉ざしたが、それは組織の最高機密であり長年に渡り刷り込まれた恐怖と忠誠が、目の前の恐怖を凌駕した。しかしそれは僅かな時間でしかならなかった。
「ジェームス!?」
また一人、仲間が消失した事で人としての死をも許さぬ粛清。それは彼らの首領の手により下される、死者に対する冒涜と同じくらい悍ましいモノに思えた。
『今のがジェームス=朱だったか。国際警察で死に物狂いで探している人物が、すぐそこにいたとはね』
「待て・・・・」
『次こそお前にしようか、ダグラス=黄?』
「待ってくれ!・・・・ボスの名はリチャード=孫だ」
『それは裏の名だろうに・・・・表での名前は何と言う?』
「・・・・孫公明」
『ではこれから聞く事で、お前への粛清についてが左右するかもしれんので正確に答えてくれよ?まずは住所だ』
香港にある高級住宅街の住所、オフィスビルの名称、行きつけのクラブなど聞かれるがままに黄
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