暁 〜小説投稿サイト〜
ロザリオとバンパイア〜Another story〜
第37話 初めての……
[3/4]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
… 私が……初めて……》
ジャックは……もう見ていられなかった。泣き続ける燦を見て、心の中で泣き叫んでいる彼女を見て。だから……、思わず。その小さな身体を ぎゅっ と抱きしめた。
『……よく 今まで本当に頑張ったな……。もう大丈夫だから…。もう、君は1人じゃない』
抱きしめ、背中を何度も摩る。
「う…あ……ああッ………うあああああああああ…………」
燦は、堪えきれなくなり、声を出しながら泣き続けた。それは、今までずっと溜まっていたようだったからか。 決して流れ出る涙が枯れることは無かった。
『……落ち着いた、かい?』
ジャックは…暫く抱きしめていたが… 震えが止まりつつあった為、抱きしめた体を離して、顔を見た。まだ…僅かだが涙は出ていて、顔を赤らめてはいるが。
<ご、ごめんなさい。取り乱したりしちゃって……>
そう筆談。声はやっぱり出す事はまだ出来ない様だ。恥ずかしい、と言う事もあるのだろうか。
『ははは。いいさ。そう言うときだって必要だと思うよ。』
ジャックは笑いながらそう言う。
<は…はい!>
その次にはもう燦は、笑顔になっていた。目元を拭い完全に涙は出ていなくなっていた。
<あ…あの、私は 音無 燦っていいます。あなたは…?>
燦の言葉を見て、改めてジャックは思う。そういえば、自己紹介してなかった、と言う事を。
『……ああ、そうだった。ごめんごめん、言ってなかったね。オレは、ジャック。ジャック・ブロウだよ。宜しく』
<ジャック……さん。ですね。よろしくお願いします!>
燦は笑顔でそう見せてくれた。
『こちらこそ。じゃあ 早速旅館に戻ろうか。今日は疲れただろう? っていっても時間的には昨日だけど』
そう苦笑いしながら、手を差し出した。
「あ…………」
燦は一瞬声を上げたが、その後その手をただ…じっと見つめた。
『……ん? ああ…そっか。いきなり繋ぐのは抵抗があるかな?』
ちょっと無神経だったかな?とジャックは思いながら苦笑した。幾ら子供、とは言え女の子なのだから。
「ッ!!」
ふるふるふる! と首を必死に左右に振って否定する。
<そんなことありません! 唯…誰かと手を繋いで歩くのって初めてで………>
メモ帳を見せるその顔は、やはりどことなく寂しそうだ。
(…そんな顔もう見たくないな)
先ほどの笑顔を思えば、寂しそうな顔はあまりみたくないし、させたくないと思うジャック。だから、笑顔で。
『そっか、じゃあこんな俺で良ければよろしく』
そう言って再び
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ