第1章 光をもとめて
第2話 鬼畜戦士と童顔戦士
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背後から大声が聞こえてきた。慌てて、振り返るシィル。
まさか、こんなに早くに目が覚めるとは思ってもいなかったからだ。
「復活、早いな……。ふぅ、慣れない事する時は段階をおく方が良い……ようだな」
ユーリはランスを見ながらそう呟いた。眠っている時間、やはり 魔法使いと比べるべくもないから。
「ええぃ! こうしてやる!!」
ランスはグリグリ〜〜っと両拳をシィルの頭に挟み込む。
「ひんひん……ん?」
シィルはいつもより力が弱い事に気がつく。
そして、若干目を瞑っていたのを開け、ランスの表情を見た。
まだ、その顔は赤く……、何処か辛そうにしている。
そこから導かれるのは、≪二日酔い≫だろう。
飲んでからそんなに経っていないのに……。
「……ぬぅく。まさか、この空前絶後の英雄であるオレ様が、二日酔いなどで……」
「ああ、ランスが飲んでいたのはあの店でも最高級の一品。高額だが、それ以上に濃度もかなり高めらしくてな。それをあそこまで飲んだんだ。並大抵じゃないって皆言ってたぞ?どんな酒豪も酔い潰れ、一度寝れば1日は覚まさないらしい。……だから、生産を止め、アレが最後の一本だったらしいぞ」
ユーリは少し考えてそう答えた。
「むぅ? ……ならば、仕方ないか。寧ろ直ぐに目を覚ましたオレ様が凄すぎるようだな!身体の強さが違うと言う事なのだ! がははは!」
ランスは辛そうでも、必死に虚勢をはきながらそう答え、胸を張った。
……勿論、これはユーリのプラフ、ハッタリ、ネゴシエーション、と言う事だ。
ランスの性格を捉えて、気分良く二日酔いになってもらった方が話が早いと思ったのだ。こう言っておけば、ランスは虚勢を張り続けるし、それが常人を遥かに超えた事だと伝えれば、やる気もでるだろうから。
「ああ、流石に寝ているランスをたたき起こして情報を教えるのもしのびなくてな。そこでシィルちゃんが、少しでもランスの為にと、メモを取ってくれてたんだ。……何ともまぁ良く出来た、優秀なパートナーだな、羨ましい限りだ」
ユーリはシィルの方を一瞬向いて、軽くウィンクをする。話しを合わせるようにとの意味もあり、ランスのご機嫌もとる意味もある。
彼女も褒められたら嬉しいだろうとも思うからだ。
「む、む? ま、まぁオレ様の奴隷だから当然だ。……む? パートナーではないぞ! 奴隷だ、奴隷!」
ランスは、誤魔化しながら、乱暴にシィルの頭をぐりぐりと撫でた。先ほどとは違い、それは内心褒めてくれている事にシィルは伝わったようで、良い笑顔でだった。
そして、ユーリのほうを向いて、バレ無いように、頭を短く下げていた。
「そこでだ。助けたグァンは無事、家に帰れた
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