第1章 光をもとめて
第2話 鬼畜戦士と童顔戦士
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大きな学園であり、お嬢様学園として知られている学園、大切な娘を気兼ねなく預けられると言う場所だからこそ、信頼も厚い。そして、金に糸目をつけない人も多い。だからこそ、今回の依頼は法外な額を支払ってくれるのだ。
そんな相手が、ギルドに依頼をよこすと言う事は。
「学園関係が、当てにならない。学園よりももっと上が関与している可能性が大、だ。……下手をしたら……」
そこから先はあまり考えたく無い事でもある。面倒な仕事になるからだ。途中下車をするつもりは毛頭ないが。
と、そんな時だった。
突然、“どたーんっ!”と言う音が響き渡ったのは。
「んん? 何だ?」
こちらの部屋にも響くそれなりの衝撃音。恐らく隣の部屋から、だろう。ユーリは考え事をしていたから、なにも訊いてなかったけれど、ちょっと 耳を澄ませてみると。
『ごめんなさい。私、柔術を嗜んでおりまして、つい反射的に……』
声がはっきりと訊こえた。その人は、奈美だ。
「……JAPAN出身と言っていたから、な。……そう言えば、アイツも言ってたっけ? 『美人さんだからって、襲っちゃうと、投げ飛ばされちゃうぞー!』って。 何を馬鹿な事を、とは思ってたが、これは強ち 冗談って訳じゃなかったか」
襲うつもり等は毛頭無いけれど、その実力の高さは伺える。なぜなら、相手はあの男、ランスだからだ。
……あの男の性格を大体把握していたユーリだったけれど、『ここまで的中するのは、ある意味ではほんと、面白いな』 と呟いていた。
ランスだ、と言う理由は、奈美の後に声が訊えてきたからだ。
『ぐ、ぐむ……、なかなか、やるな…… だがっ! 諦めないぞ。……いたた』
『ら、ランス様、大丈夫ですか? いたいのいたいのとんでけー!』
『あとで、湿布をお持ちしますね』
と。
こんな身体を休める場所で、怪我するなんて、如何にもらしい。
「ほんと、シィルちゃんは、大変そうだ。……大変そうだけど、時折楽しそうにしているけど」
ユーリは、軽く笑いながらそう言っていた。
そして、その後、ユーリも奈美を呼ぶ。
「丁度良かったですよ。ユーリさん」
「ん?」
三つ指ついて現れる奈美は、一礼をしつつ ユーリに話しかけた。
「お預かり物を、承っております。つい今し方、受け取りました」
「あ、そうだったな」
奈美から、小包を貰った。その小包にはマークが付いており、何処からのモノなのかは直ぐに判る。
「……前に買いに行った時 『あとでサービスをする』、って言ってたけど、マジだったのか」
「ふふふ、でも 熱心な店員さんでしょう?」
「色々とお節介もしてくるがな。それに、いつ行っても あの店の光景は慣れない」
「ふふ……。
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