92
[8]前話 [2]次話
小夜更けて
涼しき風に
虫の音の
聞くは侘しき
一人影踏む
夜も遅くなって、風は真昼の暑さを和らげるような涼しい風へと変わった。
そんな涼風の中に秋の虫が鳴き始め、なんとも物悲しくなってくる…。
月明かりは私の影を作っているが…愛しい彼の影はどこにもない…。
また私は…自分の影を一人、踏んで行くしかないのだな…。
去りゆける
時の川面の
偲びたる
愛しさ募りし
夏の夜の夢
時とは…余りにも儚く過ぎ去るもの…。
その中にあって、彼と過ごした記憶は愛おしく…いつまでも想い続け、思い出し続けていたい…。
そんな想いさえ、きっと夏の夜の夢のように虚しいものかも知れない…。
所詮は選ばれぬ身…ならば、ひとときの夢の中ででも愛されたいと…願ってしまう…。
それは…愚かな願いだろうか…?
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ