暁 〜小説投稿サイト〜
one sided-game
episode-0 Memory
[1/2]

[1] 最後
<i3540|32518>

2087年、地球温暖化は進行し続けていた。

夏になれば各所30度を常に超え、北極・南極の氷は全体の40%が溶けてしまい海の水位は上昇、沈没する島が相次いだ。

そんな中、技術の進歩により遠くの惑星まで行けるようになった人類は【氷鉱石】と名付けられた鉱石を発見する。
その鉱石は、冷気に包まれた惑星で発見された冷気を放つ鉱石だった。
人類はそこでひとつ考えた、この鉱石の冷気をうまく利用して、地球温暖化をどうにか止められないか、と。
そして人類はそれをすぐに実行に移した。
しかし、そこには誤算が存在した。
その鉱石はわずか10kgでマイナス273度の冷気を放っていた。
そんなものを地球に投入すれば起こるのは惨劇であるが…、このとき地球に導入されたのはなんと100kgだった。
そしてもうひとつ、【氷鉱石】を運ぶ宇宙船が100kgもの氷鉱石の冷気に耐えられず凍結、そのまま地球へ向かって墜落した。
ものすごい量の冷気を放つその鉱石は、墜落と同時に地球のあらゆるところへ散らばった。

この事件は後に “アース凍結事変” と呼ばれることとなる事件である。

それから地球は長い凍結期を迎え、天皇は急死しねん号は “凍安(トウアン)” に変わった。


そしてこの事件により、人類の天敵が暗い闇より目を覚ました。

鼓膜が破れそうなほど大きく響く咆哮

歩く度に地が揺れ

その血走った瞳は獲物を常に探している。

私たち人間はそれを【巨大なモノ】と呼んだ。
動くのだから動物でも良かったのだが、それは動物と呼ぶにはどこか相応しくないと感じた人びとは、それをモノと呼ぶことにしたのだ。
それが一体何なのか、私たちにはわからないけれどひとつだけ言えることは、それが私たちを喰らわんとする天敵であるということである。
人口爆発とまで呼ばれていた地球の人口は、この巨大なモノのせいで半分まで数を減らしてしまった。

天敵であるそれに対処する為、世界各所で“第2政府特殊処刑組織CHIMAIRA”を設立する。

生物が進化するなら、人間も進化する。

世界は表面上だけ平和に覆われている。
その裏側では多くの血と肉が舞っている。

私たちが “巨大なモノ” に立ち向かうための能力は、しっかり存在していた。
人類はいつからかある能力を手に入れていた、それは…。

感傷やトラウマ、コンプレックスを武器にする具現化の能力。

世界は人の心の傷によって救われている。

今こそ、君の心の傷で世界を救うのだ。
そう、他の誰でもない君が。




空を見たんだ。
それは人工物に囲まれ、少しの隙間から見える灰色の空。
青色の空、いつから見ていないのだろうか?
ずっと雪。

[1] 最後


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ