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ソードアート・オンライン〜Another story〜
ALO編
第123話 妖精の世界
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。この世界に降り立ったばかりだから。
「……どうせなら分けないか? 向かってくるのは、とりあえず2人。こちらも丁度2人。1:1だろう?」
銀色の男はそう返していた。
「ん……それもそうだな。よし。解ったよ」
頭を一頻り掻くと突っ込んでくるランス使いに向き合った。
それを横で見ていたリーファは思わず唖然としてしまった。
初心者が、初期装備で太刀打ちできる相手じゃないのだ。掠っただけでも致命傷になるだろう。なのに、そんな危機的状況なのにスットンキョーな会話を聞いていたからだ。
色んな意味で、ツッコもうとしたんだけれど、……相手の方が動くのが早かった。
サラマンダーのランスを使った高速の突きが、スプリガンの男に命中。
ギィィィンッ!!!と言う、けたましい音と、発光エフェクトを発生させていた。それを見たリーファは、思わず目を瞑っていた。
『殺られた!』
と思ったからだ。
「………ッ!! あっ!?」
だけど……、次のシーンを見たリーファは再び唖然とする。
それは、先ほどとは全く違う意味で、ありえない光景を目の当たりにしたからだ。
なんと……、スプリガンの男はあろうことか、重装備の武器である巨大ランスを片手で悠々と受け止めていたのだ。
「な……ななっ!!」
それを見た男も、同様に混乱していた。初心者なのは間違いない筈なのだ。なのに……掴まれた武器が、全く動かない。
まるで、大木に深々と突き刺し、抜けない、或いは巨人の手に掴まれてしまい離せない様な。
「よっ!」
男が軽く押し返すように放り投げると……。
「うわあああ!!」
まるで強力な風の魔法に吹き飛ばされたかのように、宙に飛び上がっていった。
「えーーっと、とりあえず……」
黒い男は腕をぐるぐると振る。
「とりあえず、仲良く1人ずつって事になったんだけど、その人もう斬っても良いのかな?」
そう、いいながらゆっくりと歩いて間合いを詰めていった。
「……さっきから連中の話を聞く限りじゃ、良いと思うぞ? 敵意むき出しだったしな」
銀色の男もそう言う。
「だよな?」
ニカリと笑った黒い男は更に数歩前へと。
「そりゃ、私も同意見……、先方もそのつもりで来たんだし……」
リーファも同意していた。
この場から逃げれない以上は、相手と戦うつもりだったから。
「なら……、失礼して……」
剣を手にかけ……、大地を踏みしめる脚に力を入れる。
力を入れた瞬間、ぎゅんっっ!!!と言う音が聞こえた来た。……それは、まるで、高速な物体が横切ったかのような風切音が聞こえたと同時に、男は消えていた。
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