夏休み編
Episode39:暗殺者の夏休み〜前編〜
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っと着替える。
さて一階の皿洗い戦争はどうなったのやら。
「姉さん、エリナ、そろそろ????くそ、逃げたか!」
ダイニングに戻ると、そこには何もなかった。
正確に言えば、テーブルの上の食器は全て台所へ運ばれ積み上げられ、洗い物を担当するはずの二人の姿がないということだ。
壁の時計に目を走らせると、タイムリミットまであと五分と少し。
「あの量なら????間に合う…!」
結局、自分でやることになってしまったが仕方ない。こうなることは予想できたのに監督していなかった自分の責任だ。
積み上げられた食器を前に気合いを入れる。さあ、何十年と磨き上げてきた皿洗いスキルを解放する時!
☆★☆★
「珍しいわねぇ、隼人がお皿割るなんて」
「……面目無い。後始末まで手伝ってもらちゃって」
大惨事皿洗い大戦から暫く。割ってしまった食器を片している内に両親は帰ってきてしまった。
ガチャガチャと音を立てながら、床に散らばってしまった破片を拾い集める。母さんの魔法を使ってだが。
「いいのよ別に。寧ろ、隼人は一人で色々なものを背負おうとするから、もっと頼ってもらいたいわ」
「別にそんなことないと思うけど」
そうは言うものの、俺は父さんや母さんに色々迷惑を掛けていると思う。これ以上負担になる訳にはいかないというのが本音だ。
「ああ、そうだ。エリナちゃんを家に泊めるのは別に構わないわよ」
「ん、ありがとう。それを聞いて安心したよ」
まあ、両親がエリナの同居を許すのは半ば予想通りだ。そもそも、二人はこの家を空けていることが多いから家の実権を握っているのは姉さんなのだ。姉さんには前から許可は取ってある。
「それにしても、モテモテねぇ。隼人は」
「モテモテ? 俺が? なんで?」
「自覚が無いところまで櫂そっくり。潮さんが言ってたわよ〜、『娘が隼人クンの話しかしない』って」
「雫が? うーん…俺そんな変なことしたかな?」
「……これは重症ね」
呆れたような顔をした母さんに言葉が詰まる。
はて、俺は知らぬ間に雫に何かしてしまったのだろうか。それならば今度謝らなければならないのだが。
「ああ、そうそう。櫂が後で話があるって言ってたわ」
「ん、了解。後処理手伝ってもらってありがとね、母さん」
「いえいえ。ほら、早く行きなさい」
「はーい」
☆★☆★
「入るよ、父さん」
書斎の扉を開けて、中に入る。相変わらず所狭しと本が並んでいるこの部屋は、掃除がされていないからか少し埃っぽい。
「ああ、隼人か。丁度よかった、今新しい任務が正式に下ったんだ」
「新しい任務?」
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