暁 〜小説投稿サイト〜
魔法科高校の神童生
夏休み編
Episode39:暗殺者の夏休み〜前編〜
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 夏休みであれど、九十九隼人の朝は早い。いや、夏休みだからこそだろうか。

 彼の一日はまず、何時の間にか布団に潜り込んでいるエリナを引っぺがす所から始まる。
 大抵の日は気づけば抱き枕にされているので、縄抜けの要領でエリナの拘束から抜け出し、代わりに巨大ぬいぐるみを挟み込んで解決である。もう手慣れてしまったのは、喜ぶべきか、このまま放置し続けている自分に悲しむべきか。


 軽い自己嫌悪に陥りながら洗顔を済ませた隼人は、早速朝食の準備に取り掛かる。残念ながら、母であるセラ以外の九十九家の女性(居候も含む)は料理が苦手である。故に、料理のできる三人の内、母と父はよく家を空けるため、必然的に料理当番は彼の仕事になってしまっている。
 しかしそれも既に慣れたこと。専用のフライパン、専用の包丁、専用のまな板などなどの調理器具を取り出した。

「さって、ささっとやっちゃいますか!」

 腕を捲り、気合いを入れて料理に取り掛かる。
 とはいえ、夏休みといえど朝から凝ったものを作るつもりはない。いつも通り米を炊き、卵焼きを作りながら鮭を焼く。更に同時進行で味噌汁の味を整え、レタスやトマトなどの野菜を切っていく。

 そうしている内に、朝食の匂いに釣られて寝惚け眼のエリナが起きてくる。
 まだ意識がはっきりしていない彼女を洗面台まで連れていき、出来上がった朝食の数々を並べて終了?????


 ????ではなく、寝坊助の姉を起こしに姉の部屋へ特攻。布団を剥ぎ、だらしなく腹を出して寝ている姉の耳元へ息を吹きかけて速攻で退散。間もなく、顔を真っ赤にした姉がリビングへ飛び出てくるのと、エリナが覚醒したのを確認して、ようやく朝食の時間である。

「あ、今日お母さんとお父さんが帰ってくるらしいわよ」

「……なんでそういうことを当日に言うのかな」

「忘れてたのよ。その時にエリナも紹介するけど、平気?」

「はい! 大丈夫です」

「それで、何時頃に帰ってくるの?」

「予定ではあと十分ね」

「そんなことだろうと思ったよチクショー」

 溜息をつき、残っていた味噌汁を飲み干して台所へ食器を運ぶ。両親が帰ってくるまであと十分。流石に寝巻きで出迎える訳にはいかないだろう。

「食い終わるのが一番遅かった人が洗い物! よーい、スタート!」

「あ、ちょ、それはずるいわよ隼人!」

「ハグハグハグハグハグ」

「くっ、エリナも抜け駆けして! 覚えてなさいよ!」

 途端に賑やかになった食卓に笑みを浮かべて、着替えをするために二階の自室へ戻る。

「ん、と。まあ、適当なのでいいか」

 寝巻きではまずいが、なにも着飾る必要など皆無だ。クローゼットの中にある左から三番目と右から二番目を手に取りささ
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