二十一話:ホテルと日常
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そして、気づけば俺は鎖でグルグル巻きにされていた。意味が分からない。
「ジーク、バインドで縛っておいたぜ」
「おおきに、番長」
「待て、お前は俺を匿いに来たんじゃないのか」
「うるせえ! 折角人が誤解したお詫びに匿ってやろうとしてたのによぉ!」
何故か、青筋を立てて怒っているハリー。
これは所謂、激オコプンプンというものだろうか。
「一体、俺が何をしたというんだ?」
「自分の言葉を一言一句思い出してみやがれ」
「皆目見当もつかないな」
「Go to hell」
バインドに縛られたままにじり寄って来る二人の前に突き出される俺。
ジークとアインハルトちゃんの目にハイライトが灯っていないのはどういうことだろうか。
「はやてさん、お願いですから助けてください。ほら、話があるのでは?」
「まだ、のんびりお話をしとっても全然問題ないでー」
ニンマリと笑いながらはやてさんは俺の頼みを断る。
気分としては崖から落ちそうになって必死につかまっている手を笑顔で踏みにじられている気分だ。
この人、実はSなのではないだろうか。
「ミウラちゃん!」
「僕には……無理です」
「諦めるな、諦めるなよ、お前! どうしてそこでやめる、そこで! もう少し頑張ってみろ! ダメダメダメ、諦めたら周りのこと思うんだ、応援している人達のことを思ってみろ。あと少しのところなんだから!」
「はい、私はお兄ちゃんの確保を諦めません」
「君に言ったわけじゃないんだが…!」
顔を俯けはやてさんと共に歩き去って行くミウラちゃんの背中を見つめながら視界の隅で無表情のまま俺の隣にしっかりと陣取るアインハルトちゃんを見る。
そして、反対側にはジークが陣取りえへへと笑いながら腕に抱き着いてくる。
「はい、あーんしてください。お兄ちゃん」
「う、私のにあ、あーんしてーや」
両サイドから俺の口の前に運ばれてくる食べ物。自分の方を食べろと無言で訴えかけてくる眼差し。
ふ、女の子二人に同時にあーんされるなんて男子高校生なら一度は妄想したことのあるシチュエーションじゃないか………女の子目からハイライトが消えているのを除けばな。
どっちを選んでもDead or AliveじゃなくてDead or Dead になりそうなんだが……。
「ジーク、そんなはしたないことをするのではありませんわ。そして出来ればわたくしに」
色々と欲望が駄々漏れの状態でジークを注意するヴィクター。
だが、ジークとてここで引けばアインハルトちゃんに負けるので引くことは無い。
「チャンピオンは安心してお下がりください。大丈夫です、私が食べさせてあげますので」
「ええよ、私がやるから君は下がっときー
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