二十一話:ホテルと日常
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で」
どうやら現実というものは無慈悲らしい。
ハッキリと変態と言われてしまった俺の心はボロボロだ。
ミウラちゃんを抱きしめることで心の傷を癒させてもらう。
「ヒッ! リ、リヒターさん、アインハルトさんとチャンピオンが凄まじい形相で僕を睨んできているんですけど!?」
「君はえらいタラシやなぁ。そもそも、こんな美少女が集まっている中に一人だけ男っていうのも凄いで。もしかして男友達おらへんの?」
「い、いるし……」
声を震わせながらミウラちゃんをさらに強く抱きしめる。
ジークとアインハルトちゃんの目つきがさらに鋭くなるが気にしない。
「ほぉ、それじゃあ聞いてもええか?」
「エドガーとか、エドガーとか、エドガーとか、エドガーとか」
「一人しかいないんやね」
「……リヒターさん、元気出してください」
「泣いてなんて……いないんだからな…ッ!」
誰だって認めたくない現実がある。男友達が一人しかいないという現実とかな。
ついでに年上のお姉さんに虐められて幼女に慰められている現実も認めたくない。
こんなのご褒美でも何でもない。ちょっと目覚めたらいけない物が目覚めかけたりなんかもしていない。
「そういえば、何であっちにいかんとこっちに来とるん?」
「なんか王の末裔とかばっかりで一般人として入り辛いからミウラちゃんと一緒に居るんです」
「本音は?」
「ぶっちゃけ、ジークとアインハルトちゃんに挟まれたら生きて帰ってこれる気がしない」
俺が来るまでは仲良さげに話していたららしいのに俺が来てからすぐに冷戦状態になるとか本気でやめて欲しい。あれだろうか、『お願い、私の為に争わないで!』とでも言えばいいのだろうか。
……ダメだ。二人に同時に殴り飛ばされる未来しか見えない。
「モテる男は大変やねぇ」
「年齢=彼氏いない歴には言われたくないです」
「あんたは私を怒らせた!」
はやてさんから鋭いチョップが入る。流石に失礼だったか。
だが、フェイトさんならやんわりと優しいチョップだったはずだ。
そこら辺が今後のターニングポイントになって来る。何のかは分からないが。
「また、他の女の人とイチャつきよってからにホントにもー」
「チャンピオン、ここは共同戦線を張りましょう。お兄ちゃんを私達の元に」
「乗った!」
聞こえない。俺には遂にジークとアインハルトちゃんが手を組んだなんて聞こえない。
だからこれは幻聴なんだ。目を開ければそこにはミカヤレベルの大きなおっぱいが―――
「おい、匿ってやっからこっち来い、リヒター」
「なんだ、貧乳か」
なくてハリーの貧相なお胸だった。
そこまで小さいというわけではないがイメージのせいで小さく感じてしまう。
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