二十一話:ホテルと日常
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おまけ〜アインハルトと恋人だったら〜
いつもよりも大分遅くに家に帰って来ると部屋にまだ明りがついていた。
まさか、また起きているのかと思って急いで部屋に入ってみるとソファーの上で横にもならずに座ったままの状態で舟をこいでいるアインハルトの姿があった。
その姿に少し微笑みながら近づく。
「ただいま」
起こさないようにそっと声を掛けて毛布を掛けてやる。
告白されたのはこいつがまだ中学生の時だ。
流石に世間的にもやばめだったのと一時の気の迷いかと思って中学を卒業してもまだ俺の事が好きなら付き合うと約束をした。
忘れるだろうと思っていたのだが彼女の気持ちは強く卒業と同時に即付き合う事になった。
しかも待たした反動か同棲までしているというありさまだ。
「全く……お前は頑固だな」
「……ん」
「と、すまない。起きたか」
「…お帰り……なさい。ダー……リン」
もう一つ困ったことになぜかアインハルトは俺の事をダーリンと呼びたがる。
まあ、以前のようにお兄ちゃんだと色々と誤解を招くことになるのでこっちの方がまだいいんだが。
「寝てていいっていつも言ってるだろ」
「一人じゃ……寂しい…です。一緒に……寝ましょう」
そう言って寝ぼけ眼のまま抱っこの姿勢を取るアインハルト。
俺は体は女性らしくなったが心はむしろ昔より子供になっているような彼女を優しく抱き上げてベッドに運んでいく。
安心しきった顔で目をつむるアインハルトの顔を何となしに眺めていると小さく口が開かれた。
「だいしゅき……です…ダーリン」
「はは……同じくな」
最後に一つ彼女の小さな唇に口づけを落として明りを消すのだった。
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