第二百十九話 九州に入りその九
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「だからじゃ、わしは千熊も愛でるぞ」
「そうされますな」
「それでじゃが」
信長は宗茂の話の後で話題を変えた、今度の話はというと。
「子の方の竹千代はどうしておる」
「今は四天王の者達と共にいます」
出陣しているが今は別の場所にいるというのだ。
「呼びますか」
「よい、思えばあ奴も大きくなったな」
「ですな、気付けばです」
「出陣出来るだけの歳になった」
信長は家康の嫡子である信康のことも笑って話した。
「奇妙と共にな」
「はい、奇妙殿も見事な方になられましたな」
「先が楽しみじゃ」
信忠だけでなく信康もというのだ。
「御主も安泰じゃな」
「それがしの後は倅がいますし」
「そうじゃな、それに御主は子沢山じゃな」
「いや、多いことは多いですが」
家康はここで苦笑いになってこうも言った。
「どうも子が男ばかりで」
「それはわしもじゃ」
「吉法師殿もそういえば」
「子は男が多いな」
「どうにもですな」
「わし等はな」
「これはまた不思議ですな」
家康の子は多いが実に男が多い、それは信長もだ。娘は信長の方が多いにしてもそれでもである。
「どうにも」
「全くじゃな。まあこればかりはな」
「生まれる子が男か女かは」
「人ではどうにもならぬ」
信長は家康に言った。
「それは」
「ですな、男には子は産めず」
「産まれる子もどちらかはな」
「産まれるまでわかりませぬな」
「人ではな」
こう言う信長だった、だが。
ここでだ、信長は長政も呼んだ。そして彼と家康に言うのだった。
「少し早い話じゃが」
「はい」
「何でしょうか」
「竹千代の三男のじゃ」
「竹千代とですか」
「そしてじゃ」
信長は長政も見て言った。
「御主の末の娘お江をな」
「やがてはですか」
「夫婦としたい」
こう二人に言うのだった。
「是非な」
「何と、我等の家の子達を」
「夫婦にですか」
「そうじゃ、竹千代も天下の柱でじゃ」
徳川家、今や百六十万石という織田家に従う家の中では第一の家と言っていいまでの家になっている。石高だけでなく家臣達も揃っている。
「猿夜叉はわしの義弟、何よりの縁組じゃ」
「有り難きお言葉」
長政は信長のその言葉に深々と頭を下げた。
「何よりです」
「お初は京極家でじゃ」
「そして茶々はですな」
次女の初のことも決めていてだ、長女の茶々はというと。
「これが、ですな」
「うむ、茶々はのう」
ここでだ、微妙な顔になる信長だった。
そしてだ、長政にこう言った。
「あれは奇麗になる」
「奥に一番似ております故」
「そうじゃ、市も見事じゃfが」
その美貌は天下随一とさえ言われている、信長もそうだが織田家は顔立ちが整っている者が
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ