第5話 世界の胎動
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煙を吸ってしまったけれども軽傷ですぐに退院できた。
だけど、退院してから私に地獄と呼べる物が待っていた。
誰もが陰で私に聞こえるように言う【優秀な姉を犠牲にして無能な妹が生き残った】【姉の方が生き残れば良かった】【姉を見殺しにして生き残った妹】と、他にも色んな人達が私の事を悪く言っていたけれど、中には友人をあの事件で喪った人もいたから八つ当たりもあったのかもしれない。
そう考えれば私など体の良い八つ当たりの対象だといえた、事件の前から仲の良かった京平くんや僧くんにいおりちゃん達は庇ってくれていたけれど、群像くんは何も言ってくれなかったな。
「……」
それでも学校での蔭口は何も知らない人間が言ってくるものだから、まだ耐える事が出来た。
だけど姉を失った後の両親の言葉、これに耐えられなくなって私は何も考えずに家を飛び出して、偶然見つけたボートに乗って無我夢中で外洋へと飛び出していったのは覚えてる。
今から考えるとどうして要塞港と化していた横須賀港から外洋へと出る事が出来たのか、不思議で仕方がなかったけれど夜間という条件や湾内の海水の循環時間が重なって上手く出ていけたんだろうとは思っている。
「そして、あの人に再会した……」
そうして外洋に出た私を待ち受けていたのは、当然のことながら霧の艦艇だった。
霧の魚雷艇や駆逐艦クラスが数隻いたことを覚えてる、砲門を向けられた時には特に考える事はなくてぼんやりと、痛みもなく死ねると良いかなぁって考えていた。
私に向けて砲が放たれようとした瞬間、砲門を向けていた魚雷艇が突然爆散して沈没した。
最初は何が起こったのかなんてわからなくて呆然と見ていると、上空から一筋の火線が降り注ぐと駆逐艦や魚雷艇が次々と撃沈されるっていう信じられない光景だったんだから。
過去の霧との大海戦の記録映像を見せられた時には、駆逐艦レベルにも歯が立たなかったのに目の前では、次々と霧が成す術もなく沈められていく光景は驚愕って言って良い位に衝撃的なものだった。
今まで姿を隠していたのか、何もない空間から藍色で翼の所から翠に近い粒子を出している人型のロボットが現れた時にはもっと驚いたけどね。
「私はここで誰にも負けないものが手に入るのかな?」
それから色々とあって彼にここに連れて来て貰って、奇妙な同居生活が始まったけれど男の人と二人きりという条件だけど、個人的には学院の寮や実家で過ごしていた時に比べれば、本当に天国というか毎日が楽しくて仕方がないと言って良い。
PTの訓練とかお料理を教えて貰ったりとかの毎日だけど、艦内の色んなライブラリに保存されていた小説とかドラマとかの記録を読ませて貰える事で、普通に趣味の時間も満たせるし見知らぬ
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