第5話 世界の胎動
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国民に対して通知したらしい。
だからこそ琴璃が401の存在を知っていたのは道理といえるが、同時に彼女としてはというか、当時の国民感情からしたら不安でしかなかったらしい、何しろ絶大という言葉も生温い力を持った軍艦を政府が鹵獲した上に通じるかも分からないのに、政府も軍関係者も教師も全てが401は日本の完全な管理下にあると明言していたらしいのだから。
まあ、何も知らない一般市民に対してならば、有効であろうが軍人としての教育を受けた者達にまで似たような事を言っていたというのは、かなり驚かされる事実ではある。
こんな会話をしていたんだが、琴璃自身は俺の言った言葉の中で霧の事を示す言葉、彼女、という言葉に反応していた。
「前にメンタルモデルを搭載した巡洋艦との戦闘があってな、その際に霧の艦艇は全て女性として存在しているって聞いたんだよ」
「そうなんですか!?」
「ああ、お前がここに住む一年前に遭遇した潜水艦連中も恐らくは年端もいかない少女の声をしていたからな、間違いないだろう」
もしかしたら、これは人類側がまだ掴んでいない事だったのかもしれない。
何しろ軍に所属するための訓練と教練を受けていた琴璃が驚愕しているのだから、人類側が把握していてもお偉いさんの間で止められていて彼女達の様な下っ端には入っていない情報なのかは区別が付きにくい。
スパロボでも現場レベルでは防ぎようはなかったが、それ以外の情報は軍の下っ端には一切重要な情報は漏らされる事はなく、機密として扱われていた事でもあるし。
それか、霧が人型の姿であるメンタルモデルを取り始めた事を純粋に知らないだけなのかもしれないかもしれないけどな。
「だけど、どうして霧は人の形をとったんでしょうか?」
「良くは分からんけど、人を理解しようとしているんじゃないかとは思う」
事理の当然と言える疑問、これに対しての答えというか確信に近い物はある。
スパロボOG1のエアロゲイター(ゼ・バルマリィ帝国)との戦いに置いて、人類と人類が開発した兵器を接収しつつプラントに置いて効率的な生産方式を生み出すために地球人を理解しようとした事と、霧の彼女達が取っている事は似ている事と言えた。
不思議なのは、霧の側に悪意というよりも何か純粋な探究者に似た物しか感じないという所だ。
これは念動力を利用した直感に近いものだから、利用できるとしても半々といえるくらいの曖昧な物だろうけれど、彼女達も人類を何らかの形で理解しようとしているのではないかと思ってはいる。
「理解しようとしている?」
「ああ、次はより確実で人類側の心と矛や盾を全て叩き潰せるように、もしくは何らかの交渉の糸口に似た物を探しているのか……」
「……」
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