第5話 世界の胎動
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の同居生活を送っている。
いるんだが、年頃の少年と少女が一つ屋根の下で過ごした時に発生するようなラッキースケベやら夜の18禁な展開なんかは無い、彼女との同居生活が始まった当初にちょっと期待してしまった俺がバカだったとは思う。
しょうがないじゃん!美少女が俺と一緒に暮らしたいって言ってきたら、期待してしまうのが男ってもんやん!? なんて自分で自分に言い訳をして悶々とした夜を過ごした事もあったりする。
まあ、今となっては彼女との奇妙といえる同居生活は楽しんでいたりする。
人は一人じゃ生きていけない、これは社会生活に限った事じゃないってことを、この世界に来て生活を始めた時にアオガネの艦内でずっと思い知った事なんだから。
〜黒き天使の異邦人〜
〜第5話 世界の胎動〜
そうして完成した昼食を二人で食べる。
思えばこうして誰かと食事をするなんて、この世界に来た当初じゃ考えられない事だったな。
慣れてくればハロ達にも一つ一つ感情の様な物があるという事は理解出来ていたけれど、こうして食事を一緒に食べてくれる誰かがいる事、自分が一人じゃないってことを理解できる人がいる事がどんなに幸せなのか、それをここにきて初めて理解出来たんだから。
「四日前に日本政府が厳重に保管していた潜水艦、伊号401が急に封鎖を破って強制出港か……」
「えっと、401って、群像君のお父さんが鹵獲したっていう潜水艦だよね?」
「ああ、それが急に目覚めて外洋へと出港したらしい」
「軍の厳しい封鎖下にあって、あっさり出港するなんて……」
食事を終えた頃合いで情報収集担当のハロが、ある書類を持ってくる。
そこに書かれていたのは今から15年前の【大海戦】の最中において当時海上自衛隊所属だった千早 翔像二佐が鹵獲して、その後千早 翔像を中心としたクルーにより一度は有人航海に出たものの、原因不明の交信途絶と、横須賀への無人での401単体の帰還という形により、人類は401を厳重に封印していた。
それが数日前に封印を破り出港していたというのだから、驚きを隠せない。
「今の人類側に401を制御できるとは思えない、だから疑問は別にあるだろうな」
「…… どうして、急に目覚めてそれも無理やり出港するなんていう手間をかけたのか、そういう事ですね?」
「ああ、どうして今のタイミングじゃないといけないのか、前から彼女が出港可能だとすれば容易にできたはずだ」
「彼女?」
これは琴璃に聞いた話なのだが、当時、大海戦に惨敗を喫した日本は国民へのプロパガンダとして霧の潜水艦イ401を鹵獲したという事を、大々的に、それも過剰と言えるくらいの力の入れようで
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