第十一話
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「シュウ、これからどうするの」
「とりあえず俺のアパートに行こうと思うんだ。どこか安全な隠れ場所があれば良いんだろうけど、学生の俺にはそんな場所ないし。……友達の所という手もあるけど、こんな格好で行ったら、退いちゃうからなあ」
「わたしは……お前に任せるわ」
「そうだなあ。俺んちはここからモノレールで5駅あるんだよ。それにこんな時間だからとっくに終電は出ちゃってる。……歩いていくしかないんだろうけど、この町はあちこちに監視カメラがあるんだ。こんな深夜に学区、……学校ばかりがあるエリアなんだけど、こんな時間に許可無くいるやつなんてまずいない。パトロール中の警官に見つかったらすぐ職質されるんだ。おまけにこんな格好じゃあ、余計に人目を惹くよね。監視カメラでチェックされてるから、即警官がやってくる」
そう言いながら、俺は考えを巡らせた。
タクシーを拾うか……。財布の中には1,000円くらいしか無かったはず。……却下。
やはり歩いて行くか? モノレール駅までは2キロ。最寄り駅まで5駅。営業距離で15キロくらいあったか。今の俺なら楽勝だろうな。……しかし、その距離を監視カメラを避けながら行けるものなのか? そして警ら中の警官に見つかる可能性もある。こんな格好で小学生の女の子(しかも金髪の美少女)を連れて歩いていたら絶対に人の目を惹くな。……やはり却下。
バイクを盗んで移動するか?……バイクといっても電動バイクしかないんだけど。
でも、こんな時間にそんなにうまいことバイクが置いてあるとも思えない。……やはり却下。
移動するなら車が必要だけど、バイクと同じく、盗むのは絶対に無理。盗難装置が働くだろうし、たとえ無効化して動かせることができたとしても、あらゆる道路に張り巡らされたシステムがナンバーから所有者を割り出し、運転者との合致をチェックする。当然登録者と違えば異常を検知し、即、検問が行われるとともにパトカーが出動する。
それほどこの街(関西科学技術・学術文化研究都市)のセキュリティは強力なんだ。さすが第2学園都市として造られただけのことはあるんだよな。様々な最新テクノロジーがこれでもかってくらい投入されている。その全貌を知っている住人は殆どいないんだろうな。知ろうとしても教えて貰えないだろうけど。
街は教育施設地区、技術研究地区、住宅地区、都心地区が3,000haの土地に4つの地区が配置されている。そして、各種学校がある教育施設エリアは技術研究エリアに次ぐ並んでセキュリティ度に設定されている。安全安心がモットーのこの関西科学技術・学術文化研究都市にとっては、ごくごく当たり前の事なんだろう。
さらに俺が通っている国立関西文化大学付属高校(中等部含む)→新設校である、はその学校方針として独自に地区最高
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