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異界の王女と人狼の騎士
第九話
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、それほど悪くないよってまずは否定しておくけど。うん、君との約束は覚えている」

「下僕ってどういうことかわかってる? 」

「召使いとか使用人? ……だったかな」

「わかってるわね。じゃあ、お前は改めなきゃならないことが何点かあるでしょう」

 俺は意味がわからないといった表情をしてみせる。

「まず……」
 と少女は俺が答えないのに業を煮やしたのかしゃべり出す。
「言葉遣いがご主人様に対するしゃべり方じゃないわ。態度も同じでとてもご主人様に対する態度ではない。失礼でしょう」

「う、うん……。じゃあどうすればいいんだよ。そもそも俺は君の名前も知らないんだから」

「お前に名前は教える必要もないし、そもそも下僕がわたしの名を知る必要もない。わたしのことは姫と呼びなさい。そして、まず、偉そうにタメ口で喋るな」

 俺はまじまじと少女を見る。
 ううーん。この子は頭が大丈夫なんだろうか。自分のことを姫だなんて……。如月の触手に吹っ飛ばされたときに頭を強く打ちすぎたんだろうか? だとしたら可哀相に……。
 まあ確かにこの子は謎の力を持っているし、命を助けてもらったから感謝してるのは間違いない。それに、俺はちっちゃい子の扱いになれてないし、どうやったらいいかわからん。
 とりあえずこの子のいうことを聞いてあげようかな。それでギャーギャー喚かなくなるんならまあ良いとしようか。おちびちゃんのご機嫌を損ねるわけにはいかないな。

 フッ、大人の対応だね。

「わかりました、姫さ……」
 言葉の途中で股間に衝撃が走った。
 見ると少女の右脚が俺の股間にめり込んでいた。


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