第三話 試験前勉強
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の不満とか」
「悩み事ですか? 特にありませんが......強いて言うならあなたと魔法の練習をする時、身体制御魔法を使ってはいけないというルールに不満はあります。 全力を出せません」
「あー......それに触れるかぁ」
視線を僅かに下に落とす。 アインハルトのバリアジャケットは砲撃の中を突っ切ったダメージで上半身のジャケットが完全に消し飛び、インナーまで切れ目が入ってる。 そこからチラチラ見える健康的な色の肌は嫌でも視線を釘付けにする。
容姿、知識、礼儀、身体能力、どれを取っても一級品のアインハルトがこの目に魅力的に映らないわけがない。 脳筋でぐうたらする一面を知っている僕でさえこれだ。 他人にはもっと魅力的に見えるだろう。
「何かついてます?」
「い、いや何も付いてないよ」
年齢の割によく発達した身体がさらなる進化を遂げるとどうなるか。 短時間で終わる模擬戦ならまだ耐えられる。 いや、それすら危ないんだけどね。 長時間に渡る普段の練習で、身体制御をしたアインハルトの姿を見て色々と我慢できる自信なんて有りはしない。
長い沈黙にアインハルトが少し困ったような表情を浮かべるので、無理矢理話題を逸らそうと適当なことを考えてみる。 漁った頭の引き出しから出てきたのは”試験”の二文字。
「こ、今回の実技試験はアインハルト自信ある?」
「自信はそこそこあります。 一番得意な身体強化の試験ですし」
「ボクは一番苦手な魔法だよ......。 内側から身体を弄るって何か怖いっていうか、陛下とかリオの大人モードってやつは特に心配でさ......内側から自爆とかしそうで」
「聖王の鎧で五体を武器化している人の発言とは思えませんね......。 あと、大人モードは私も使うのに心配してくれないんですか?」
「覇王ハイディ・E・S・イングヴァルトは自爆なんてしないって確信があるから心配はないね。 たとえ自爆したとしても涼しい顔で帰ってきそうだし」
「それもそうですね。 自爆程度で死ぬようでは覇王の名を汚してしまうかもしれません。 うん、自爆では死にません」
力こぶを作ってこちらに死なないアピールをしてきた。 一見するとただの細い腕だが、この腕一本でもSランク魔法を防ぐ聖王の鎧をブチ抜くのだ。 そりゃ死なないと思う。
試験の話をああだこうだとしていると、入り口の方から見覚えのある人影が二つ、こちらに走って来た。 金色の長髪を揺らす影、追う黒髪ショートカットの影。 背丈からしても間違いない、陛下とリオの組み合わせだ。
「イゼットくん! アインハルトさん! こーーんーーにーーちーーわーー!」
「ぶふぇっ」
「ああ、ラスボス先輩の鳩尾が死んだ!」
「この人でな
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