暁 〜小説投稿サイト〜
ViVid Record
第三話 試験前勉強
[2/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
のは弾けて拡散する虹色の魔力と???左拳を突き出すアインハルトの姿だった。 久しく見る断空拳の二段構えを脳が理解する前に、両肩、腹部、顔面へのラッシュを叩き込まれる。 聖王の鎧がフル稼働してダメージを軽減するが、鎧の突破技術を最大限盛り込んだ覇王流は、ダメージがよく通る。 痛みで身体が動かない。 それでも無理矢理動かそうと魔法の展開を始めた途端、頭を掴まれた。

 ......嫌な予感しかしない。

「て、手加減は?」

「無しです」

 直後、フルパワーで地面に叩きつけられた。

 見えなくとも今ので自分を中心にクレーターを作り出したであろうことは分かった。 それだけの衝撃が鎧越しに響き、意識を飛ばしにかかった。 意識は飛んでないものの、決定的な一撃と判断したらしく、アインハルトは僕の頭からゆっくり手を離した。

「勝負ありですね。 大出力砲撃に追加で砲撃を加えるのは良かったですよ。 あと二秒遅ければあなたの言う通り隅っこまで吹っ飛ばされてました」

「AAAランク砲撃一発にAAランク砲撃を二発真正面から受けて吹っ飛ばないとか倒せる気がしない」

「ならSランク砲撃を撃てばいいじゃないですか」

「......チャージに十秒くらいかかるんだけど、待ってくれる?」

「断空拳を五回は打ち込めるとか素敵です」

 どうやらSランク砲撃を撃とうとするとチャージ中にサンドバックにされるようだ。 というか二秒に一回繰り出せる覇王断空拳が恐ろしい。

 いつまでも地面に這いつくばってるのもカッコ悪いので痛みを我慢して立ち上がる。 辺りを見渡すとほぼ予想通りの光景が広がっていた。 ボクを中心に巨大なクレーターを作り、アインハルトの背後は消し切れなかった砲撃の余波で隅のフェンスまで一直線に地面が抉り取られていた。 他にも空破断との激突や狙いの外れた魔力砲で所々地面やらフェンスが穴だらけになっている。

 これだけ暴れても翌日には元通りになるから不思議だ。 どういう魔法や技術を使ってるんだろう。

「あ、鼻血出てますよ......はい、ティッシュ」

「ご丁寧どうも......っておい、鎧を抜いて鼻血出るって相当だぞ。 いったいどんなパワーでやったんだ」

「さっきのパワーを拳に置き換えると戦車をワンパンで”消滅”させれます」

 どこからか出したティッシュで鼻を押さえてくれるアインハルトの言葉に戦慄する。 鎧はそう簡単に破られないとお互い認識してたとしてもそんなパワーを込めて地面叩きつけられたと知ると少し反応に困る。 アインハルトに何か悪いことでもしてしまったのだろうか。 目の前の顔からは感情が読み取れない。 いっそのこと聞いてみようか。

「アインハルト、最近何か悩み事とかある? 具体的には僕へ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ