第三話 狙われたイプシロン
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アキレスZEROの破損は軽微・・・ふぅ、良かった。
現在、僕 蒼乃 創太は超VIPな大物が乗りそうな車に乗っている。
状況が読み込めないぞ。まぁ、イプシロン・airが関係してるって事は会話の流れで解った。
次世代型LBX イプシロンMark2。
本来の正式名称の様だ。現在登録されている名前はイプシロン・air・・・盗まれた後に結構、改造された形跡も残ってたし名前も改名されちやったのだろう。
で、僕の前に座ってる青年は海道 ジン。
あの『秒殺の皇帝』だ。お会いできて光栄です! と普段の僕なら、言っているだろう。
だが、冷静な僕は言えないし。言わせない。
「あ、あの〜」
重たい空気の中、僕は先手を取った。
読めない状況を再確認する為だ。
一応、同意の上で僕も車に乗ったが、この車が何処に向かっているのかは知らない。ミラーを見ても外は見えない。マジックミラーって奴だと推測するが、緊張するぞ。
「この車は、何処に向かってるんでしょうか?」
「タイニーオービット社の研究室だ」
・・・・以上。
あ、諦めるな。会話を続ける努力をするんだ。
「僕、悪い事をしちゃたんですかね?」
「いや、君は被害者だ。
まぁ、事情聴取と思ってくれ」
なんか、怖いんだが。
でも、この車が向かってる場所を考えるとテンションが上がった。
あの大手LBXメーカーの1つタイニーオービット社の研究室に向かってると成れば自然とテンションが上がるものだ。何故、そんな所に向かってるのか理由を知りたいが、敢えて僕は聞かず、黙り込んだ。
「そういえば、あのLBXは君が造ったのかい?」
「え、あ、ハイ!」
危ない危ない、半分寝てた。
「元はアキレスをベースに、どんな地形でも対応する事を前提に造りました」
「君、歳は?」
「? 15歳です」
そこで海道 ジンは驚いた表情で。
「その若さで、あれ程のLBXを。
LBXを初めて何年目だい?」
「4ヶ月とちょっと・・・ですかね」
更に、驚いた表情となった。
気まずい・・・気まずいよ。
驚いた表情で、海道 ジンは。
「君は―――――」
「うわぁ!!?」
高級車の運転手は悲鳴を上げ、ハンドルを切る。
ドシン、ドシン。
LBXの足音――――車の上?
「奴等の狙いは、恐らくコレだ」
そう言うとジンはケースを開け、LBXを取り出した。
そのLBXは僕を襲った謎のLBXだった。
「多分、イプシロンも狙われている。
・・・そう言えば君の名前を聞いてなかったな」
「は、はい。
僕の名前は―――蒼乃 創太です!」
爆発が起きた。
その時の海道 ジンの表情は、驚きを超え、恐怖の表情だった。
チッとジンは舌打ちを
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