第三十九話『二人きり』
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ウェンとシャルロット。
「俺は買うものを既に選んでいる。お前も選んでくるといい」
「うん、そうなんだけど……」
「どうした?」
「僕あんまりこういうの選んだことないからさ、スウェンが似合うと思うのを選んでほしいかなーって」
「……」
暫しスウェンは沈黙する。
「ダメかな?」
「……俺もあまりよくわからん。厳選したものを持ってこい、話はそれからだ」
「うん!」
意気揚々とシャルロットは駆けていく。
「我ながら妙なことを頼まれたものだ」
「それじゃ着替えるね」
「ああ」
2着の水着を持ったシャルロットは試着室のカーテンをしめ、着替え始める。布の擦れる音が聞こえるがスウェンは気にもせずに時を待つ。音がやむと
「お待たせ」
カーテンが開けられると鮮やかな水色の水着を着たシャルロットが。
「どうかな?」
「……悪くはないと思うが、あまりお前と合わないのではないか?」
「それじゃもうひとつの着るね」
再びカーテンが閉められると今度は先程よりも早く終わる。開けられたカーテンから覗くのは、晴れやかな黄色の水着、シャルロットの髪の色も際立ってより明るく見える。スウェンは「ほう」と腕を組んでそれを見る。
「……スウェン見すぎ、エッチ」
「いや、すまない。やはりお前はそういう明るい色が似合っているな」
「ホント!?それじゃこれにするね!」
「いいのか?まだ時間はある、他に選んでも……」
「ううん、せっかくスウェンが似合うって言ってくれたんだもん、これにするよ」
スウェンは先日の簪とのやり取りを思いだし軽く笑う。
「そうか、ならいい。それで……」
隣の試着室に視線を移し
「お前は何時までそうして隠れている?」
「え?」
すると隣の試着室のカーテンが開くと、そこにはラウラが居た。
「ええ!?」
「……隊長、何時からお気づきに?」
「ここに来てからだ、こそこそ着いてくるのはあまり関心はしない」
「申し訳ありません……」
「まあいい……せっかくだ、女子生徒なら女子生徒らしくショッピングの一つでも経験しておくといい」
「……はい?」
更に咎められると思ったラウラだったが、思わず呆気に取られる。
「お前は水着を持っているか?」
「学園指定のものなら」
「ふむ、シャルロット、すまないがラウラの水着を選んでやってくれ」
「僕が?」
「適任だろう、頼む」
「……はぁ、ス
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