暁 〜小説投稿サイト〜
蒼翠の魔法使い
【第二章】 魔法継承篇
Episode 4:encounter―出会い―
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れる髪型だ。顔はどこか幼さと共に大人の雰囲気をも醸し出す不思議な感じ。なんと言っても、一番のチャームポイントと思えるのが、髪の毛と同じくらい際立(きわだ)っている、漆黒の瞳――パッチリとした目だ。しかし、今の視線は女性自身のカップに落とされて、(うかが)うことは出来ない。
 色々と考える珠澪だったが、考えることがバカらしくなり、結局考えることを止めた。
「ふぅー」
 と一息を吐き、珠澪自身の何かのスイッチをオフにした。
 すると、緊張感がスッと解けて、楽になった。
 緊張感が解けた珠澪の身体は、ソファーの背もたれに体重を乗せる。
 意外とソファーの背もたれは柔らかく、珠澪の体を優しく受け止めた。
 それと同時に女性は顔を上げ、ゆっくりと口を開く。
「私の名前は、雪花白(せつかしら) 聖歌(せいか)。十九歳で、高校には入学していない……これで良いかしら?」
「あっ、はい、結構です」
「…そう。あと、敬語やめてくれないかしら? 無性にイライラしてくるから」
「分かりま――じゃなく、分かったよ」
 ……それで良いのよ、それで。と言うと、満足そうな顔をして、聖歌もコーヒーを啜る。

  ◇ ◆ ◇ ◆

 聖歌――と呼んでいるけれど、心の中では、雪花白さんとして呼んでしまっている自分がいた。
 そんな事を考えながら、雪花白さんの目を見る。
 漆黒の瞳は、全てを吸い込みそうな色をしている。もしかしたら人の心すら覗けるのではないだろうか。――などと思ったりもしたが、現実的ではない。…が、一応、保険として心の中でも、聖歌と呼ぼう。
 変な決心をして、あたしは口を開く。
「聖歌は――」
「それより、話があるのだけれど……。時間は大丈夫かしら?」
 聖歌はあたしが話し出そうとしたところで、口を開く。
 ちょっと、あたしが話そうとしてたのに……。
 プンスカと怒る。もちろん、顔や態度には出さずにだ。
 それより時間かぁ、と思いながら、部屋を見回す。
 この街では珍しいくらいの広い部屋で、同じ広さの部屋があと三部屋くらいあれば、この街で一番と言っても過言ではないくらい大きい家として認められるだろう。そして、木造作りの部屋は、余分な物が一切無く、落ち着いた雰囲気になっていて、ストーブやクーラーなどの暖房器具を含めた家電はこの部屋では見当たらない。テレビすらもだ。家電暖房器具に含めることの出来ない石レンガの暖炉(だんろ)は、パチパチと木を燃やしていて、屋根部分の上には写真とラジオがありる。さらに暖炉の右隣にあるのは、何十年前のものか分からないくらい、古くなってしまった柱時計がある。
 柱時計の短針(たんしん)がXIIを指し、長針(ちょうしん)はUを指している。つまり、十二時十分か零時十分を指す事になる。
「というか、その柱時計
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