提督、姉と話す
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ねぇ、やっぱり今でも思ってるんじゃないの?この世界を、壊したいって」
そう聞いたルネは辛そうだった。泣きそうでもあった、提督はその言葉を受け止めながら無表情だった。彼にはこの世界を壊す権利がある、そうなのかもしれない。事実、彼は何度もそう思った事もあった。だけどしなかった。
「―――昔はね、思ってさ。この世界でのうのうと生きてる奴等が憎くて憎くてしょうがなかった。軍人になっていざ戦うとさ、平和っていう甘美な味の意味を知っちゃったから。如何でもよくなっちゃったよ」
「………そっか、それならいいや!今、それ台詞を聞けてよかったよ」
そりゃよかったねと返す提督、自分と姉しか知らない世界への恨み。それは忘れる事ができない深い物、それを背負いながら生きていく事を決めた二人の意思は固い。
「そう言えばさ。あそこの温泉プールってまだ残ってる?明日にでも皆を連れて行こうと思うんだけど」
「週3で私が行くぐらいに残ってるわね。そう言えばもう直ぐ夕暮れね。今晩は豪勢にしちゃおうかしら?」
気づけば既に夕暮れが近い、どうやら結構な時間話しこんでしまっていたようだ。共に下に降りていこうとした時
「弟君」
「えっ?」
姉に呼び止められ振り返ると、唇に姉の唇が重なる。突然の行動に全く反応出来ずにそのまま唇を10秒ほど奪われてしまった。
「ふふふっ………相変わらず美味しい唇でした♪」
「………やるんだったら恋人にやれよ」
「んじゃ弟君が私の恋人っと言う事d「却下」即答!?」
などといった漫才を交えながらも一緒に1階に降りて食事の支度を済ませる二人であった。
「お〜い夕ご飯だぞ〜」
提督の声に釣られて今へとやって来た長門達はテーブル一杯に広げられた御馳走に目を奪われる。超高級レストランのフルコース、それだけではすみそうにはならないほどの量と質だ。特に長門と加賀が目を輝かせている。
「ごめんね待たせちゃって、その代わり御馳走にしたから勘弁してね。さあ思う存分食べて良いのよ、補給お代わりもたくさんあるから安心して食べてね」
「補給………気分が高揚しますね」
「思う存分頂こう」
「は、榛名さん……私たちの分、残るのでしょうか……?」
「は、榛名に任せて。大丈夫です!」
小さく多分と付け加える榛名に不安を煽られる電。そんな二人にちゃんと取っておいてあげるからという提督。その言葉を聞いて安心する二人、だが提督はまだこの場にマリアが居ない事に気づく。
「あれマリアさんは?」
「そういえばまだ来てないわね?」
「マリアなら浴衣に挑戦してみると言っていたな」
ドイツ生まれなマリア、そんな彼女は日本の様々な文化に興味を示していた。そんな彼女は浴衣に興味があるようだ。だが折角の料理が冷めてしまう
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