暁 〜小説投稿サイト〜
八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
第四十一話 勝負が続いてその五

[8]前話 [2]次話
「思いきりのところがあるのよ」
「その二つがですね」
「大事なのよ、極端に言ったら」
「もう実力伯仲だと」
 それこそとだ、池田さんも日菜子さんに話した。
「本当に機転と思いきりですね」
「咄嗟にどうするか決めて」
「それを実行するんですよね」
「口で言うのは簡単だけれど」
「閃きが難しいんですよね」
 それが機転だというのだ、ここで言う。
「相手を見て気付くことも」
「そうなの、相手を見てどう攻めればいいのか、どんな戦術がいいのかを一瞬で見極める」
「スポーツをしていないと」
「ちょっとわからないかも知れないですね」
「そうかも知れないわ、とにかくね」
 何はともあれというのだ。
「まずは思いついて」
「そして、ですね」
「それを実行に移す」
「迷わずね」
「それが大事ですね」
「そうなの、とにかく今回はそれが出来たわ」
 だからだというのだ。
「それで勝てたのよ」
「はい、じゃあ次は」
「準々決勝ですね」
「ええ、もう少ししたらね」
 休憩に入っていた日菜子さんの目がここで光った、そのうえでの言葉だった。
「また行って来るわ」
「頑張って来て下さい」
 僕はその日菜子さんに声をかけた、この言葉を。
「そして全力で」
「ええ、悔いの残らない様にね」
「勝負されてきますね」
「そうしてくるわ、次の相手は東京の娘よ」
「東京ですか」
「そう、何でもお父さんが警察官で空手七段で」
「七段、凄いですね」
 その段を聞いてだ、僕は無意識のうちに怯んだ。
「それでその人も」
「お父さんに教えてもらってね」
「空手をされて」
「三段なのよ、全国大会の常連でもあるわ。私も前にね」 
 その時にというのだ。
「勝負して勝てたけれど」
「それでもですか」
「強かったわ」
 そうだったというのだ、その人も。
「紙一重で勝てたのよ、高校一年生の時に」
「そんなに強いんですか」
「そうなの、だからね」
「今回の勝負も気が抜けないですね」
「絶対にね」
 そうだとだ、僕達に話してくれた。
「そうした勝負よ」
「じゃあ健闘を祈ります」
「緊張はしていないわ」
 日菜子さんはここでは僕達にこうも話してくれた。
「強くはね」
「程々にですか」
「そう、程々にね」
「緊張されていて」
「極端にはなっていないわ」
 微笑んでだ、僕達に話してくれた。
「固くなってはいないから」
「じゃ準備体操をされて」
 池田さんは緊張し過ぎていないという日菜子さんにだ、笑ってこう言った。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ