4部分:第四章
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それだったらまだましね」
その流麗な目に悲しみを宿らせる。一人身を嘆いているのだろうか。
「仕事よ」
「左様ですか」
「イタリアまでね。今夜は帰らないわ」
「しかしそれは覚悟のうえでは?」
沙耶香はそう問う。
「外交官の妻としては」
「ええ」
鶴は沙耶香のその言葉に答える。
「ましてや大使夫人ともなると。わかってはいたけれど」
「御父上を御覧になられて」
「御父様も主人もね。わかってはいたわ」
「それでも肌は別だと」
「そういうこと。それはわからなかったわ」
そこにグラスが置かれる。宙に浮いたワインがその中に注ぎ込まれる。鶴はそのグラスを手に取る。そこでまた沙耶香が彼女に声をかける。
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