第二話 Stヒルデ大図書館
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の練習を持ちかけてみる。
「飛行魔法の練習しようか」
「嫌です。 あ、その右から三番目の本取ってください」
即効否定だった。 時間にして瞬きをする程度の一瞬。 臭いものに蓋どころか砲撃を撃って消しにかかっている。 無限書庫とかはどうやって移動してるんだコロナ。
言いたいことは山ほどあるが、とりあえずコロナのお望みの本を本棚から引っ張り出す。 本と一緒に大量の埃もセットだった。 モワッと広がる埃を払い、表紙を見てみる。
「古代ベルカ応用魔法学......ちょっと待ってコロナ、本当にこの本で合ってるの?」
「はい、ちょっとわたしの魔法は変わってるから......ミッド式の本には載ってなかったんです」
「ミッド式に無い......空間攻撃魔法、広域殲滅魔法、超長距離砲撃魔法、他には......」
「そういう派手な魔法じゃないです。 もっと地味で、光の当たらない魔法??創生魔法です」
ボクの手から本を抜き取り、大切そうに抱きしめる。
創生魔法......たしか別名は物質生成魔法。 主に岩や鉄のような無機物に魔力を流し込んで全く同じ成分の物体を生み出し制御する高位魔法で、基礎の魔法でも取得難易度Bランクの難関魔法だ。 強力な魔法だったこともあり、ご先祖様の記憶、デバイスの両方に記録されている。
腕の中で鼻歌を歌うコロナに目を向ける。 格闘技は僕と同じく苦手、代わりに高度な魔力制御とかなりの魔力量を持っている。 適正は高い可能性が十分ある。
けど、その魔法は、
「??オリヴィエ陛下とお揃いだね」
「オリヴィエ陛下も創生魔法を使ってたんですか!?」
オリヴィエ陛下とお揃い??その言葉を聞いた途端、コロナの目が輝いた。 あの聖王女オリヴィエ・ゼーゲブレヒト陛下も使っていたと聞けば当然の反応だ。 地味だと、目立たないと思っていたものが実は超有名人も使っていた。 興奮するのも無理ない。
「オリヴィエ陛下の後で聖王になった人の子孫で記憶伝承者の僕が言うんだ、間違いないよ」
「ヴィヴィオのきっかけ、オリヴィエ陛下の魔法......もうこれは運命です。 決めましたシルトさん! わたし、創生魔法を極めます!」
「きっかけ作ったのはダブル陛下なのか......。 まあ、頑張って。 応援してるよ」
「え、もちろん協力してくれますよね?」
「創生魔法なんて奇妙珍妙な魔法、僕にどうしろと。 手伝えることは資料探しくらいしか......」
「......シルトさんのデバイスって聖王家で扱った魔法を全部記録してるんですよね?」
ギクリ、と聞こえないはずの擬音がどこからか聞こえた。
コロナは勉学において非常に優秀な成績を収めている。 陛下やもう一人の友
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