事後
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聖が戦闘に介入し、グールスは沈黙。俺はなんとか生き残っていた。このまま家まで一直線なら何も文句はなかったんが、俺は救援に来ていた次元航行艦に早乙女と一緒に保護と言う名目で連れていかれた。
艦内に転送され、はじめに連れていかれた場所は艦長室だった。中に入ると若そうな艦長が目に入る。俺と早乙女は椅子に座るように促され、座ると艦長らしき人もこっちに来て向かい側に座った。よくよく見ると中々いい顔立ちをしている人だった。これならさぞかしモテるんだろう。
「私は艦長のクロノ・ハラオウンだ」
「早乙女雪乃といいます」
「羽武谷です」
ハラオウンという響きに少し挨拶が遅れた。それと同時に頭の奥底が少しチクリと痛んだ気がした。
「まず、二人共無事で何よりだ。それと羽武谷君、我々の到着までよく持ちこたえてくれた。本当にありがとう」
「感謝されることではないです」
内心は文句たれたれだ。実際俺は局の後始末の悪さが原因であんな状況に陥ったのだ。だが、相手が艦長ともなると恐らく階級は提督クラスだろう。だから「あんたらのせいで散々な目にあった」なんて言えるわけもない。小さい人間だと自分の事を思うが嘱託魔導士ごときでは心の中で文句を言うのが精一杯だ。
「ご令嬢もご無事でなによりです。お母様も大変心配なされていました」
「手間を掛けさせてしまって申し訳ありません」
「ご令嬢?」
俺は思わず口を滑らしてしまったが、艦長は嫌な顔せず俺に説明をしてくれた。
「知らなかったのかい? 彼女は有名なデバイス開発メーカーである早乙女テクニクス社のご令嬢だよ」
開いた口が塞がらないという経験を生まれて初めてした気がした。
ご令嬢やら御曹司やらは漫画の世界や一部の優良学校ぐらいにしか存在していないと思っていたが、こんな身近にいるなんて驚きだった。
「本題に戻ろう。早乙女令嬢は今日のところは一旦お帰りになってもらいます。局員2名が護衛に付くのでご心配なさらずに。羽武谷君は少し残ってもらえるかな」
艦長にそう言われ部屋から退出する早乙女。外には先ほど言われたように2名の局員が見えた。ドアに向かって歩いていく途中一瞬だけ俺の方に視線を向けたが早乙女はそのまま歩いていった。
「さて……君には今回の事件についての経緯を話してもらいたいんだが、大丈夫かな?」
「ええ」
その後数分に渡り俺は事件に関わることになった経緯を話した。実際には逃げ回りながら攻撃していただけなので特に面白い話ではなかった。途中途中にグールスの状態やロストロギアの事に聞かれたが外見的なものしか見ていなかったので答えられることは少なかった。
「これで話は終わりだ。すまないね時間を取らせてし
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