case.4 「静謐の檻」
[ 7.4.AM6:57
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…。いいえ、話せませんでした…。」
「なぜです?貴女も共犯と見なされてしまいますよ?」
「良いのです!私だってこの旅館を愛し、誇りに思っておりますから。ただ、この真実は私一人には重いもので、誰かに話せないものかと…ずっと思っておったのです…。」
菊代さんはそう言うと、再び泣き崩れたのだった。この人はずっとその重荷を負っていたんだと思うと、胸が締め付けられるような気がする…。
もう三十三年…ん?三十三年…。
「三十三…そうか、三十三回忌だったんだ!だから今更…!」
「京、一体何言ってんだ?あそこに佐野さんが来てるんだが…。」
「いや、そんなことよりあの部屋へ行かないと…!あぁ、田邊君は起きてるか?」
俺はそう独り言を言いながら直ぐ様席を立ち、唖然としている相模や山之内氏を尻目に走り出したのだった。
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