歌い手、何も言えない
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たよ・・・」
「ロロも、予想外です・・・」
「ねえ、勝手なイメージなのかもしれないけどさ。猫って身軽じゃない?」
「です、ね・・・」
「猫族の人も、あんなことが出来たりするの?」
勿論ながら、そう言って指さすのはレヴィちゃんです。もう彼女一人いれば全部解決するんじゃないか、と思ってしまうレベルです。
「無理、です・・・身軽に跳び回って戦う人がいなかったわけじゃない、ですけど・・・あそこまでは、さすが、に・・・」
「だよねぇ・・・」
うん、やっぱり箱庭から見てもレヴィちゃんは強いそうです。あれですね、そろそろ本気で僕、“ノーネーム”の中で肩身が狭いです。
「お、新しいのがいるッスね」
「新しいの、ですか?」
「ええ、これまでに見たのとは全然違う見た目ッスよ。あれは・・・カボチャ?」
カボチャ、カボチャですか・・・あの相手ってみんな植物がベースの中にあるみたいなんですけど、それがカボチャよりとかそう言うことでしょうか?
「・・・他には、何かありますか?」
「そうっスね・・・こう、カボチャの頭に目と口っぽい穴が開いてて、体の部分は襤褸切れをマント見たくしてるっスよ」
「ふむふむ・・・」
なんででしょうか、どこかで見たことがある気がします。それにしても、どこでなのか・・・
「まる、で・・・ジャック・オー・ランタンみたいです、ね・・・・ハロウィン、の」
と、ロロちゃんのその一言で思い出した。そうだ、ハロウィンのジャック・オー・ランタン。春日部さんが出場してたゲームの決勝戦での相手の子が連れてたのが、そのひとだったはず・・・と、思い出したときにはもうレヴィちゃんは走り出してた。
「ちょ、ちょっとレヴィちゃん!ストップ!その人、敵じゃないです!!」
慌てて呼び止めつつ、レヴィちゃんの向かった方向に走る。本当に慌ててたから全力疾走して、完全に息を切らした状態で追いついた時には・・・
「ん?どうしたんスか、奏さん?自分としては急に呼び止められたので、ギリギリ止まったところなんスけど」
「い、いえ・・・ちょっと、思い出し、まして・・・」
膝に手をついて、肩で息をして、それでも体が疲れ切って悲鳴を上げていて耐えられなかったので、崩れるように座り込んでから水樹の幹で水分補給をして、ようやくレヴィちゃんの方を見れました。あと、
「どうもお久しぶりです、アーシャさん」
レヴィちゃんの足で押さえつけられて首筋にクナイを当てられているアーシャさんと。
「それに、ジャックさんも。どうもお久しぶりです」
「ヤホホ・・・これはこれは奏さん。お久しぶりですね」
と、レヴィちゃんに逆の手で押さえつけられつつ、レヴィちゃんのくわえた糸で全身が捉えられている、次の
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