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箱庭に流れる旋律
歌い手、何も言えない
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「ハァ!?あのバカ()があの城に乗り込んで行っただぁ!?」

 ご主人様が勝手に城に行ったことを伝えると、まあ予想通りの反応が返ってきた。そうなるわよね・・・私だってそう言う反応するもの。

「一応、レヴィちゃんについて行ってもらったから大丈夫だとは思うんだけど・・・」
「レヴィさんに・・・でも、ロロロさんも一緒に行ったのでしょう?さらに子供たちもいることを考えると、さすがに難しいんじゃあ・・・」
「う〜ん・・・それはたぶん、なんとでもなると思うよ?」

 と、ユイのその言葉で十六夜と黒ウサギ、飛鳥の三人が首を傾げる。そう言えば、この三人にしてみればレヴィってユイと一緒にいたから連れ帰った、その流れで(ノリともいう)隷属した護衛役のニンジャ、だったわね・・・

「まあ、それはいいのよ。事実ご主人様は大丈夫だろうし、もし何かあったら私やユイにはすぐに分るもの」
「ああ・・・“共鳴”のギフトか」
「ええ。死ぬまで行かなくても、重症だったり何かあれば“共鳴”の効果は薄まる。万が一に死んだのなら、私はユイから離れられなくなるわね」
「・・・最悪の事態が起こったかどうかについては、それで判断がつくってわけだな」

 冷静な判断ね、これは。さすがは十六夜だわ。
 まあ、それに・・・

「相手に音楽シリーズのギフトも違いない、とも限らないもの。歌い手と打楽器奏者の二人が向こうに行ったのは、必ずしも間違いではないわ」
「確かに・・・そう言う意味合いでは、四人いる“音楽シリーズ”が二人ずつになったのはいいのかもな」

 ・・・そう、ね。でも・・・

「ろくな戦闘能力のない二人が城に行って、戦う手段のある私たちが地上(こっち)に残った。これがよかったと・・・本当に言えるのかしら?」

 そこだけが、不安要素なのよね。



♪♪♪



「さ、どんどん行くっスよー!」

 そう言って飛び出して、とても身軽に跳び回るレヴィちゃん。さすがに動きづらくなったのか、服装が変わってますけど・・・それにしたってすごすぎます。いや強いことは知ってたんですけど、まさか。

「まさか、跳び回りながら一瞬で仕留めていく、なんてことが出来るなんてなぁ・・・」
「レヴィお姉ちゃんが冬獣夏草の前、に一瞬、立ってから切り刻まれるまで・・・時間が空いて、ます」
「どうなってるんだろうねぇ・・・」

 まあ、うん。そう言う状況なわけで。
 ロロちゃんに聞いたところ、あの相手の核のような部分は鉄塊ぐらいの硬さがあるそうなのに、どんどん切り刻まれていって、本気で相手がかわいそうに見えてくるレベルです。

「普段ふざけてたり弄ってきたり、そんな面が多かったからなのかな・・・僕のニンジャさんが、こんなに強いとは思ってもなかっ
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