case.4 「静謐の檻」
V 7.2.PM1:42
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たヤツがいたみたいで、その仕事を…」
「また相模さんですか…。」
俺の言葉を最後まで聞かないうちに、田邊が青白く燃え出してしまった。
田邊は相模のことをかなり嫌っている。まぁ…相模との仕事で無傷だった試しはないからなぁ…。
「ま、まぁ…そう怒るなって。今回は前金で依頼料も貰ってあるし、どうしても無理だったら、ドイツの叔父に話して来てもらうからさ…。」
田邊は尚も不服そうな顔をしていたが、「まぁ…それでしたら…。」と、渋々了承したのだった。
「しかし先生。それでしたら、僕も手伝わせて頂きますよ?僕は僕で勝手に動くと言うことで、報酬は一切要りませんから。」
全く…田邊らしいな…。忘れそうになるんだが、こいつは金持ちだからなぁ…。まぁ、仕方無い。
「分かったよ…。それじゃ、君には別のことを頼みたい。」
「何ですか?」
「今から三十年程前に起きた、当時の山之内家当主の失踪についてだ。失踪時と、その後どうなったかを詳しく調べてほしいんだ。」
「先々代ですか…。先代の尚輝氏のことではなくて…ですか?」
こういうことだけはよく知ってるな…。ま、資産家の息子だし、大抵の資産家のことについては知っていて当たり前か。
「そうだ。先々代の龍之介氏についてだ。先代については、完全に病死と分かってるからな。じゃ、俺は今から話を聞きに行くから、君はその事を出来るだけ早く調べておいてほしい。」
「分かりました。それでは直ぐに取り掛かります。」
田邊はそう言って一礼すると、直ぐにその場から離れて行った。俺は田邊が去ったことを確認し、身を翻して旧館へと急いだのだった。
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