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鐘を鳴らす者が二人いるのは間違っているだろうか
第二章 Born Wind
連動企画 ノルエンデ復興計画、始動!!
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、放っておけないタイプって言うか……)

 はっきり言って、エイナはこの手の相手に弱い。というか頼りない系男子に弱い。
 まさかこちらの情に訴えるような人選で心理戦を仕掛けてくるとは、恐るべしカルディスラ王国……!と戦慄した。

 ちなみにあの王様はその点も計算している。カルディスラ王、意外にタヌキ説浮上。

 そして、ティズとエイナは詳細について話し合いを始めたのだが……

「きっと難しいことだって言うのは分かってるんです……でも、たとえ住む場所が変わってもノルエンデは僕の故郷なんです!どんな形でもいい……故郷を再興するためなら僕の頭くらい何度でも下げます!だから……お願いします!!この復興計画に協力してくださいっ!!」
(こ………断れない!これは絶対断れない!!むしろ断ったら人間じゃないっ!?)

 なんと、少年は役人とは名ばかりで実際にはカルディスラ大崩落で消滅したノルエンデ村の唯一の生き残りだったのだ。ロキ・ファミリアの報告とも発言内容が完全に一致する。

 考えても見てほしい。
 16歳という若さで突如天涯孤独の身になった、どこまでもまっすぐで純朴な少年が……涙ながらに故郷の再興を訴えているのだ。しかも、目の前で。小細工、腹案一切なし。純度100%感情任せの悲壮な決意を一体どこの誰が断れるというんだろうか。
 しかも、国がその感情を全面的に後押ししていると来たものだ。

 そして何より嫌なのが、彼は恐らく断っても何度も頼むに違いないことが分かっていることだ。
 それこそ、締め出しても毎日ギルドの前で企画書片手に立っている姿が容易に想像できる。
 きっと冒険者に邪魔だと突き飛ばされても、大雨が降っても、お金が尽きてもずっとギルドの前で粘るだろう。

 エイナ・チュール、人生始まって以来の危機到来である。

 もうベルの小動物的視線が断りにくいとかそういう次元を完全に通り越している。可哀想だから受けてあげようとかいう問題でもない。人間として、根源的に血の色が赤いかどうかを試されているレベルに達してる。
 文字通り彼はこの計画に命を懸けているのだ。こういう選択を迫られるのは余りにも卑怯だ。
 こんなの、助けてあげたいと思うのが人情ではないか。人間だったら誰だってそう思うではないか。

 故郷を、家族を失って、それでも立ち上がらずにはいられない。
 余りにもド直球で切ない覚悟を以て挑むティズの顔は、既に瞳に涙が溜まっている。
 今にも溢れだしそうな悲しみを必死で抑えたその表情は、見ているこっちの胸が痛くなる。

(う……ううう……!?も、もうやめてぇ……!そんな澄み切った目で私を見ないでぇっ!!)

 彼の眼を見ていると、段々と話を受けるかどうかの葛藤を抱いている自分が汚い大人になったよう
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