問題児編 第1章 手紙に誘われ
最強の階層支配者
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草むらに目をやると僅か、いや何かがかなりはみ出している。そのため、本人は隠れているつもりなのだろうが見えているし、気配に関しても少しも隠せてない
「なんだ、あんたらも気がついてたのか?」
「はぁ...。さっき久遠嬢に言ったことを聞いてなかったのか逆廻少年。年上には敬語を使うべきだと思うぞ」
「わりぃな。これが俺だ」
ヤハハ、と笑いながら悪びれることもなく、寧ろ威張りながら言う。ここにはまともな人間はいないのか。後ろでは2人が当然、嫌でもわかる、と逆廻に対抗するように言う。物静かな少女だと思っていた春日部嬢まで我が強いときたか...
「.........はぁ。とりあえずそこにいるやつ出てこいよ。いつまでもそこにいちゃこっちも困るんだが」
そろそろこの三人と話すのも疲れてきたので、話の流れを変えられることを祈り、草むらの方を睨む。流石に威圧まではしないが、潔く出てこないようなら殺気でも飛ばしてやろうか。と若干イライラしてきていたので思考がかなり暴力的になってきていた。ティアナにすぐばれ、腕を抓られてそんな考えはすぐに吹き飛んだが
「や、やだなあ皆様方。そんな狼みたいに怖い顔で見られると黒ウサギは死んじゃいますよ?ええ、ええ、古来より孤独と狼はウサギの天敵でございます。そんな黒ウサギの脆弱な心臓に免じてここは一つ穏便に御話を聞いていただけたら嬉しいでございますヨ?」
俺含め計四人の威圧を受け、怯えながらも草むらから少女?ーー頭にはウサ耳らしきもの、ミニスカとガーターソックスを履いているーーが出てきた。両手を挙げ、所謂ホールドアップ又は降参の意を表す仕草をしながらこちらに近づいてきている。歩きながらこちらにどうか話を聞いてくれと乞い願うが
「断る」
「却下」
「お断りします」
「あっは。取りつくシマもないですね♪」
性格に一癖も二癖もある問題児共にそのようなものを受け入れてもらえるわけはなく、逆に冷ややかな視線がさらに増し、余計に怯えただけであった。その様子はぱっと見では確かに野生の獣に怯える兎そのものであろう。がしかし
「それは、ちょっと感心しないな。その態度がこちらのデフォなのか?」
目だけは異なっていた。初対面にも関わらずまるでこちらを値踏みするかのごとく観察されるのはあまり気持ちの良いことではない
俺の言葉にまさか当てられるとは思ってなかったのか、驚きで目を見開く。そのまま誤魔化そうとするが、俺が目を細めると素直に頭を下げて
「確かにあまり褒められる行為ではありませんでしたね。非礼をお詫びします」
「それと、説明するもなにもこちらは貴方のことをなにも知らない。せめて名だけでも教えてもらえるか?」
「黒ウサギと申します。この度皆様方を箱庭に
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