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俺と乞食とその他諸々の日常
二十話:お風呂と日常
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まうような美少女がシャワーを浴びているが彼女目は悲しげに揺れていた。

「また、やってもーた……殲撃(ガイスト)は使わへんって決めてたのに」

 少女、ジークリンデ・エレミアは自責の念に苛まれていた。
 使わないと決めた技を使い危うく相手を“壊して”しまいかけていたという事実に。
 確かに相手は強く、それでいて色々な意味で全力を出せねばならなかった相手だ。
 自分の目標の壁ともなる気に入らない相手でもあった。だからといって傷つけたいと思うような邪な心は彼女にはない。まあ、気に入らなかったが。
 彼女は内心で溜息を吐きながら引き締まった肢体を湯に沈め膝を抱える。

「あの時、リヒターが止めてくれんかったら……」

 非常に不名誉かつ、恥ずかしいセリフで意識を戻されるのは好きではないが何故か彼限定でしかも他の言葉では戻らないので贅沢は言えない。
 人為的に引き戻すことが出来るだけでもありがたいのだ。
 いつかのように全てを壊して周りから何もなくなることは無い。
 ……彼が自分の傍に居てくれる限りではだが。

「やっぱ、依存しとるんかなぁ……」

 少し自嘲気味に笑いながら水面に映る自分の影に語り掛ける。
 今まで何をやっても止めることが出来なかったエレミアの神髄を止めることが出来るのが彼なのはやっぱりそれだけ大切だからで。
 彼の家に入れなくなるのが堪えられないのはそれだけ近くに居たいから。
 傍に居られないのを想像するだけでも胸が張り裂けそうになる。
 それは彼の事がどうしようもないぐらい大好きだからだ。
 だが同時に恐れる。

(ウチ)が触れると……みんな壊れるから」

 大切になればなるほど傷つけてしまうのではないか、壊してしまうのではないかと恐怖する。
 彼が自分を冗談でも抱きしめないのは自分に壊されることを恐れているのではないかと疑心暗鬼に陥ってしまい彼女は細い腕で体を抱きしめる。
 やっと見つけた暖かさ、本当に欲しい物。
 壊れてバラバラになってしまいそうな己の記憶(・・)を繋ぎとめる様に彼女はさらに強く体を抱きしめる。
 幼い時はいつもそうしていた。でもそんな時に手を指し伸ばしてくれる人はいた。
 そう、今この時も。

「よー、邪魔するぜー」
「番長!?」
「案の定、ボケっとしてんな」

 突如として浴場に現れたハリーに驚き慌ててタオルで体を隠すジークだったがハリーはそんな事などお構いなしに近くに寄っていく。
 隠すほど恥ずかしい体つきなどしていないとばかりに堂々と全裸で近づいて来るハリーにジークは思わず顔を赤らめる。
 だが、ジークの心情など知るかとばかりにハリーは少し厳しめの言葉を投げかける。

「後悔なんてしてんじゃねえよ。俺達はお前がどう思ってい
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