二十話:お風呂と日常
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「ジークは大丈夫かしら……落ち込んでないといいのですけど」
「あいつもウジウジする性格は相変わらずだからなぁ……」
アインハルト対ジークリンデという因縁の戦い……実のところは女の戦いの後、ヴィクターとハリーは禁忌の技を使ってしまったジークの心境を想い、顔を曇らせる。
彼女達は仮に自分があのイレイザーを食らって重傷を負ったとしても欠片も恨む気などない。
恨むのなら自分の力の無さだと割り切る。しかし、肝心の本人であるジークは使ったことに後悔し続けるのだ。
ハッキリ言うと少し面倒な性格であるがその程度の事で減滅する様な浅い付き合いではない。
むしろ励ましてやろうと思うような優しい性格の持ち主達だ。
「二人共、私に面白い考えがあるんだが乗る気はないか?」
「ミカ姉!」
「考えとはなんですの?」
「何、一芝居打つだけさ。……と、そう言えば今ジークは浴場にいるんだ」
悩む二人の元に待っていましたとばかりにミカヤが現れる。
頼れる(?)年上の登場に二人も安堵し耳を傾ける。
ミカヤはやけにすました顔で一芝居打つと提案した後に内に宿る悪戯心を抑えながら何でも無い様に語り掛ける。
何のことかと頭の上にクエスチョンマークを浮かべる二人だったがミカヤの言葉を聞いていくうちに修羅の形相へと変貌していく。
何が彼女達の表情を変えさせたのかというと―――
「それでリヒターがジークを探していてね。居場所を教えたら『逃げられると思うなよ』と格好をつけて走り去って行ってしまったんだ。さて、リヒターは今どこにいるのか皆目見当もつかないな」
「……おい、ヘンテコお嬢様」
「……ええ、ポンコツ不良娘」
『一狩行こうぜ(行きますわよ)!』
疾風のように駆け抜けていく二人の後をミカヤは黙って歩いていく。
中盤まで差し掛かった時に何やら男性の悲鳴が聞こえてきたような気がするが澄ました顔で歩いていく。
しかし、周りに誰もいないことが影響したのかついに堪えられなくなりその顔を邪悪な笑みで歪ませる。
「計画通り」
耳に響く断末魔の悲鳴の中彼女は声も上げずに一人笑い続けるのだった。
この女外道である。
白く滑らかな絹のような肌にすらりとした手足。
梳かれた髪は水分を含み艶めかしく光り輝いている。
その艶やかな黒髪がコントラストとして湯に当たりほんのりと赤みのさした白い素肌をさらに引き立てる。
胸部にはいささかボリュームが足りないものの、それでも他人に対して劣っているわけではなく、年相応といった所だろう。
だが、それでもなお鍛え上げられた肢体は引き締まり健康的な色気を醸し出している。
少し幼げな顔がギャップとなり見る者を虜にしてし
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