第二百四十八話
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第二百四十八話 悪魔も来たりて
先生達はお茶を置いて使い魔達を連れて教会の外に出た、するとそこに一見すると天使に見えない存在がいた。
顔は四つだ、人と鷲と牛と獅子。それに
翼は四つ、脚は機械の様になっていてサイボーグを思わせる。使い魔達はその異形の姿を見て確信した。
「間違いないね」
「うん、智天使だね」
「翼は四つでね」
「顔も四つだし」
「しかも脚は金属」
「間違いないよ」
この三つの特徴で確信した、彼等も。
「これは強いよ」
「天使の中でもね」
「流石に天使長や熾天使には負けるけれど」
「それでもね」
「神様から信任されてる位だからね」
そのキリスト教の神にだ。
それでだ、使い魔達はまた今田先生と今日子先生に尋ねた。
「あの天使さんでも相当ですよ」
「並の魔女じゃ対抗出来ないですよ」
とても、というのだ。
「ご主人様達なら、ですけれど」
「しかもまだ悪魔も来るんですよ」
「尋常な状況じゃないですよ」
「それで悠長には」
「とても」
「ですから大丈夫ですよ」
「喧嘩をする訳じゃないですから」
先生達はにこにことしたままだ、そして。
その智天使に声をかけようとした、しかしここで。
教会の庭に落雷が来た、激しい轟音と共に。
するとその落雷が来た場所に黒いタキシードと靴、奇麗なズボンとワイシャツに蝶ネクタイにシルクハットの男がいた。
顔は浅黒くダンディな顎鬚と口髭が印象的だ、その男も来て。
「悪魔アギエル参上」
「今度は悪魔ですよ」
「もう一方が来ましたよ」
「こっちも凄いですよ」
「魔力がインプとかと違いますよ」
「上級悪魔ですよ」
まさにそれだけの力があるというのだ。
「遂に両方来ましたけれど」
「これからどうされるんですか?」
「喧嘩じゃないって仰いますけれど」
「どちらも喧嘩する気満々ですよ」
「というか殺し合いしそうなんですが」
そうした殺気立った状況だった、しかし。
先生達はその天使と悪魔にだ、こう声をかけた。
「これからお茶でもどうですか?」
笑顔のままでの言葉だった、その物腰も雰囲気も殺伐としたものはなかった、まるで午後の紅茶の時の様であった。
第二百四十八話 完
2015・6・18
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