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黒魔術師松本沙耶香  紫蝶篇
25部分:第二十五章
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それでも沙耶香は言う。
「現実にあるのよ。ただしそれは」
「それは?」
「人の心を映し出す鏡としてね」
「鏡、ですか」
「そう、鏡よ」
 沙耶香は述べる。
「この絵は鏡なのよ。人の心の鏡としてね」
「それで現実にあるというのですね」
「そうよ」
 またカクテルを口に含んだ。
「そういう意味であるのよ」
「そうですか」
「ええ。だからダリは好きなのよ」
 そのダリの絵を見ていとおしげに述べる。彼女の趣味に合っているということである。言われてみればまさに沙耶香に相応しい世界であった。
「見ていて飽きないわ」
「それでしたら」
 バーテンはここでまた話をした。
「何かしら」
「ダリの絵で他にも面白い絵を知っていますよ」
「面白い?」
「はい」
 そう彼女に述べる。述べながらカクテルを作っていた。シェイクさせる手の動きが実に小気味だ。音もリズミカルで心地よいものであった。


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