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ViVid Record
第一話 二人の聖王と一人の覇王
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罪の意識を感じたのはシルトブレヒトとしてかもしれないけど、シルトブレヒトよりイゼットで僕を見てくれる陛下に家の意識で謝るのは失礼だからね。 当然、イゼット個人の意識で謝る」

「なんだ分かってたんですか。 よかった......これでシルトブレヒト家として謝るなんて言った日には断空拳のサンドバックにしてました」

 鋭い目つきはいつもの何も考えていないような目に戻り、シャドーボクシングを始めた。 返答次第でこの打撃全てを断空拳として自分に叩き込むつもりだったと思うとゾッとする。 対聖王を意識した覇王の連撃にはさすがに”鎧”が耐え切れない。

 覇王ではなくアインハルトとして、ご先祖様ではなくイゼットとして。 僕らを過去の人間に重ねず、現代に生きる一個人見てくれる陛下に対して個人ではなく家で接する......怒って当然だ。 陛下の気持ちを裏切るのと同等の行為を、アインハルトが許すはずない。

 深呼吸を一回、自分の中をもう一度整理して、ベッドから起き上がる。 ご先祖様の記憶と僕の気持ちが混ざってないかを今一度確認する。 僕やアインハルトを始めとする記憶伝承者の面倒なところだ。 自分の意志だと思っていたのは実は伝承された記憶に意志を呑まれていただけでした、という事例は存在する。 だから一度、頭の中を整理しなければならない。

 ......よし、これはボクの意志だ。

「それじゃ」

「あ、待ってください。 私もご一緒します。 保健委員は怪我人の面倒を見る義務がありますからね」

「別に保健委員だからってそこまでする必要はないよ? アインハルトだってやりたいことあるでしょ」

「私にトレーニング以外することあると本気で思ってるんですか」

 幼馴染はどうやら甘い青春を捨てているようだ。 そんな柄の人間でないのは百も承知だが、トレーニング以外すること無しは正直どうかと思う。
 当の本人は気にする素振りもなく素早く荷物をまとめ、早く準備しなさい、と目で合図を送ってくる。
 急いで制服のズレを直し、忘れ物はないか鞄の中を確認してアインハルトと保健室を出る。 生徒玄関まで直線に続く長い廊下を二人並んで歩く。

「血筋ってのも大変だよねぇ。 覇王の子孫のアインハルトも聖王の子孫の僕も血筋で振り回されっぱなしでさ」

「私は覇王の血筋、気に入ってますけどね。 ......血筋と言えばあなた”聖王の鎧”を持ってるのに木に激突して気絶してましたよね。 あれは完全自動防御なのでそういうのには無意識に発動すると記憶してますが」

「発動するな! って強く思えば発動しないんだなこれが。 特に陛下のためなら簡単に発動を中断可能な」

「聖王女......ヴィヴィオさんに対する執念は凄まじいですねあなた」

「アインハルトも
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