第七話
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く、かなりの数があるようで、みるみる奴の喉は、そして口は膨らんでいく。
「むぐぐん」
口いっぱいに触手を頬張った如月。まるで栗鼠のようだ。
そして臨界点に達し、ついに頬は崩壊する。
皮膚が裂ける音とともに一気に口が切り裂かれ、たまっていた触手が一気に露出した。もはや如月のあごは完全にはずれてだらりの垂れ下がってブラブラしている。そして眼球もぽろりと顔から落ち、プラプラと垂れている。
口とケツの両方から生え伸びた触手は粘液にまみれて蠢き、宙を漂う。
体をくの字にし、両手をダラリとたらした如月はもはや人ではなく。ただの抜け殻のような存在にしか見えなかった。
触手はイソギンチャクの形態をとり、いくつかの触手が足の代わりをするかのように位置取る。そしてゆっくりと如月は浮上する。うなじ辺りから何かが蠢いたかと思うとそれはゆっくりと体を動いていき、胴体の横腹辺りで止まった。
それは横に並んだ2本の線のように見えた。それが震えるように動いたと思うと、ゆっくりとその傷が開かれる。
……それは眼だった。二つの赤い眼だった。
それがついに本性を現したのだ。もはや如月流星ではない、別のイキモノに姿を変えたんだ。
口と肛門から這いだした触手が手であり足である。かつての人間のからだはただの胴体となり、中央に眼が発生している得体のしれない生物の誕生だ。。可哀相に足と性器はブラブラぶら下がったただの飾りだ。
気味の悪い敵を前にして、俺の心が昂ぶっていく。人ではないモノになった存在の見た目のグロさに嫌悪感と敵意がわき出す。
しかし、どういう訳か自然と笑みがこぼれるのを感じた。
【フハハ。いいぞいいぞ。面白いぜ、如月。すぐには殺さないよ。楽しませてくれよ、見かけ倒しで失望させないでくれよ。頼むよ、バケモノくん】
普段考えたこともない言葉が頭をよぎる。興奮していて意味不明なキーワードが乱発されたんだろうな。そう思い、頭を振る。
とにかく奴を撃退する。
俺は息を吐き、一直線に駆け出す。
待っていたかのように奴の触手が放射状に開きながら、俺を取り囲むように襲いかかってくる。
しかし、その攻撃は止まっているかのようなものでしかない。俺は冷静に状況を把握し、一番触手の少ない上に向かってジャンプした。邪魔な触手に絡みつくように這っているあの糸のような線を断ち切る。
触手は次々と千切れ落ちる。俺はその勢いのまま奴の真上に飛び上がっている。奴の背後に飛び降りるつもりだったんだ。
そして視界の隅に無数の触手が俺めがけて突き上げられてくる体勢で待機しているのが見えた。それらが一気に俺に向けて射出される。その速度は先ほどのものとは比較にならない速度だった。
罠か……。
最初の攻撃は俺をジ
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