不透明な光 2
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くなるまで延々と続いたそれは。
今、この瞬間にも、彼女の心を壊しかけている。
「いつまで寝ているつもりだ、レネージュ」
一度は部屋を出ていたグリークが、愉しそうに目を細めてベッドに座り。
様々な体液で汚れたシーツに仰向けで沈んでいる裸体を見下ろした。
四肢を伸ばしきっている彼女にはもう、怯えるだけの余力も無い。
くり返す浅い呼吸は薄い腹すらまともに動かせず、見た目はほぼ人形だ。
ボロボロになるまで乱暴に扱われて、無惨に打ち捨てられた人形。
「安心しろ。いきなり全部を喰らうつもりはないさ。回復させて、喰って、また回復させて。彼女が苦しんできた時間よりも長く、ゆっくりゆっくり、じわじわと苦しめてやる」
ベッドに乗り上げてレネージュの頬を両手で覆い、唇に軽く口付ける。
すると突然、寝室の扉が大きな音を立てて乱暴に開かれた。
「!?」
体を起こしたグリークの目に、ネグリジェ姿の少女が飛び込む。
剣呑な目つきの少女は、手に持った包丁を腹の辺りで構え、叫んだ。
「死になさい! 我が一族の名を貶めた、邪悪なる亡霊よ!!」
「クーリア……!?」
凄まじい勢いでグリークに駆け寄り、その心臓めがけて刃を突き出す。
驚きで固まったグリークはその一撃をまともに食らい、仰向けで倒れた。
ベッドに弾かれたグリークの腕が、レネージュの胸を強かに打ちつける。
「……っ、クー、リア……、なぜ……」
「お黙りなさい、兄の姿をした悪魔! よくも兄を……っ! 私達の家族を汚してくれましたわね! 父様と母様まで殺して!」
グリークと同じ銀色の髪を振り乱し、少女は大声で叫ぶ。
雪原に射す影を思わせる色の目には、大粒の涙。
ネグリジェから覗く白い肌には、無数の鬱血跡があった。
「お、れは……お前を、愛 して」
「まだそのような戯言を! 私から大切なものをすべて奪い取った貴方が、私の何を愛していると言うのです!? 私は貴方の所有物ではありません! 関係ないレネージュ様にまで、こんな非道な仕打ちをしておいて……っ! ふざけるのも大概にしなさい!!」
「クー、リ ア…… っがぁ!!」
クーリアと呼ばれた少女がベッドに飛び乗り、少女の物とは思えない力でグリークの心臓に立てた刃を引き抜いて、再び振り下ろす。
飛び散る赤い雫がレネージュの頬にも貼り付き、下向きの線を引いた。
「……クー、リ、アあ、あぁ……!!」
グリークが、少女に手を伸ばして絶叫。
涙が浮かぶ目を見開いたまま。
少女の名前の形で唇を開いたまま。
少女に伸ばした手を上げたまま、息絶える。
「はぁっ……、はぁ……。レネージュさま……レネージュ様!」
クーリアと呼
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